東横線に温泉街、二子玉には読売園…東急線の意外な過去
目蒲線と目黒線、玉川線と新玉川線、さらには多摩川線……。東京都南西部から神奈川県東部を走る東京急行電鉄は、合併や沿線事情の変化に応じて、幾たびも路線や駅の名前を変えてきた。89年に及ぶ歴史の中で、どこがどのように変わったのか。過去の路線図を調べ、現地を歩いてみた。
■綱島は「東京の奥座敷」 屈指の温泉地だった
東急の元社員、宮田道一氏が書いた「東急の駅 今昔・昭和の面影」(JTBパブリッシング)に、昭和初期の沿線案内図が載っている。描かれているのは学校や景勝地、遊園地など沿線のランドマーク。横浜・日吉の「慶応義塾」や東京・渋谷の「東横百貨店」など今もなじみがある場所に加えて、意外なものがあった。温泉マークだ。
よく見ると「綱島温泉」と書いてある。ちょうど現在、東急東横線の綱島駅(横浜市港北区)があるところだ。どういうことか? 謎を探るべく、現地を訪れてみた。
東口改札を出て5分ほど歩くと、綱島街道沿いに大きな温泉マークが現れた。壁には「綱島ラジウム温泉」の文字が。ここは日帰りの天然温泉施設、「東京園」だ。綱島に天然温泉? 不思議に思い、尋ねてみた。
「昔はこのあたりは『東京の奥座敷』なんて呼ばれてね、70軒くらいの温泉宿があったんですよ。芸者も100人以上いましてね。東京近郊では有名な温泉地だったんですよ」。東京園のスタッフが、懐かしそうに教えてくれた。
綱島温泉の始まりは大正時代。掘った井戸から黒い湯が出たのがきっかけだ。綱島街道の脇に「ラヂウム霊泉湧出記念碑」が建っている。効能豊かな黒い温泉。そこに目をつけたのが東急の生みの親、五島慶太氏だった。
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