マニラ=鈴木暁子
2017年1月9日19時23分
黒いキリスト像をのせた山車が練り歩く「ブラック・ナザレ祭り」が9日、フィリピンのマニラで行われた。黒いキリスト像は奇跡を起こす力があると信じられており、像に近づこうと早朝から約250万人が参列(警察当局推計)した。だが暑さで倒れる人やけがをする人が相次ぎ、フィリピン赤十字社によると、午後5時までに約1200人が手当てを受けた。
十字架を背負った像に触れると願いがかなうといわれ、多くの人が山車によじ登ったり、像をぬぐったタオルを受け取ったりしてご利益を得ようとしていた。
今年は祭りを狙ったテロの可能性が指摘され、警察官ら約1万6千人が警備にあたった。約7キロにわたる巡行経路で、携帯電話の電波が止められた。
黒いキリスト像の由来ははっきりしないが、メキシコの芸術家が自分の肌に似せて作った茶色いキリスト像が17世紀初めに帆船で運ばれ、フィリピンにたどり着くまでに変色したといわれる。15年間、祭りに参加している女性(62)は「外国に行く願いがかなって、息子とドバイに行くことができた」と話していた。(マニラ=鈴木暁子)
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朝日新聞国際報道部