東京都が災害に備えて保管していたクラッカーを受け取る人たち=東京都千代田区で2017年1月9日、佐々木順一撮影
2月末が賞味期限の10万食分
食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の削減と、防災意識向上を目的に、東京都は9日、賞味期限が迫った防災用の備蓄クラッカーの無償配布を始めた。配布するのは2月末が賞味期限のクラッカー約10万食分で、都内のイベント会場や都立上野動物園、多摩動物公園で配ることを予定している。
都は災害発生時に区市町村が住民に配布する非常食が足りなくなる事態を想定し、カップラーメンやアルファ米など750万食を備蓄している。これまでは賞味期限が切れると一部を家畜の飼料に回し、残りを焼却処分していた。
9日は、千代田区の東京国際フォーラムでパラリンピック競技を体験できるイベントに合わせクラッカー4500食を配布した。東京都狛江市の無職、渡辺敏子さん(72)は「捨てるのはもったいない。これからも続けてほしい」と話した。
イベントに出席した小池百合子知事は、報道陣に「東京五輪・パラリンピックでも食品ロスを少なくすることは大きなテーマだ」と語った。問い合わせは都資源循環推進部計画課(03・5388・3572)へ。【安藤いく子】