本田技研工業(ホンダ)は1月5日(現地時間)、米ラスベガスで開催中の「CES 2017」(1月5〜8日)で、ライダーが乗っていなくても自立できるバイク「Honda Riding Assist」を公開した。現地にいた担当者は、意外にも「この技術はバイクが自立することが主の目的ではない」と話す。
Honda Riding Assistは、ライダーがバランスを崩しても、バイク自体がバランスを保ち、低速走行時や停止時のふらつき、取り回しの際の転倒を防ぐ技術。二足歩行型ロボット「ASIMO」などの研究で培ったバランス制御技術を二輪車に応用した。
同技術が披露されたホンダブースには、後ろから展示が見えないほど多くの来場者が詰めかけた。オートモーティブショー化が進むCESで大成功を収めたといってもいいだろう。本田技術研究所でHonda Riding Assist開発に携わった中田博之さんと太田あつおさんは次のように話す。
「そこそこ反響はあると思っていたが、ここまでとは思わなかった。こちらがびっくりしている」(中田さん)
「CGや展示だけではなく、実際に人が乗ってデモを行ったのが良かったのかもしれない。実物を持ってこれたのが一番良かった」(太田さん)
ホンダブースでは1日に2回、Honda Riding Assistのデモを実施。開始時間の少し前から人だかりができるため、早めに前列を確保しないとバイクが見えないほどだ。
“倒れないバイク”という従来の二輪車にはありえない、夢の技術を実現するに至った理由の根底には「バイクを楽しむネガティブな要素や不安を取り除きたい」という思いがあるという。
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