少女像設置に過剰反応 安倍政権は「韓国外交」でも大失敗
日ロ首脳会談ではプーチンに手玉に取られ、オバマのご機嫌うかがいでハワイ・真珠湾を訪問せざるを得なくなるなど、最近は政権基盤である保守層の支持離れも懸念されていただけに「起死回生」のチャンスと考えたのかもしれない。ナショナリズムをあおって支持率を上げるのが安倍政権の常套手段とはいえ、大使の一時帰国まで踏み込むのは異例の強硬手段だ。ネトウヨは大喜びしているが、コトはそう単純ではない。元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「日韓合意というのは、安倍政権と朴政権との間で結ばれた話であって、未来永劫、守ることを約束したものではありません。だから、朴大統領が国会の弾劾訴追案可決で職務停止に追い込まれ、死に体状態になった途端、こういう状況になったのです。日本政府は日韓合意の“本質”を国民にきちんと伝えず、『歴史的』などと強調した。この欺瞞があったために今回、厳しい対応を取らざるを得なくなったのです。しかし、日本が強硬姿勢を取るほど韓国側の反発も大きくなり、次の大統領選で政治課題化することになるでしょう」