宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、地球を撮影する超小型衛星を載せて11日に打ち上げるミニロケットを、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)で報道陣に公開した。発射時刻は11日午前8時48分に決めた。日本が超小型衛星専用のロケットを飛ばすのは初めて。宇宙観測に使う既存のロケットを改良し、衛星を宇宙へ運ぶロケットとしては世界最小となる。
ミニロケットは全長約9.5メートル、直径約50センチと電柱ほどの大きさ。全長が50メートルを超える国産主力ロケットと比べてはるかに小さい。
姿勢を制御する電子部品の納入でキヤノン電子が新規参入した。打ち上げに成功すれば、宇宙関連企業の裾野が広がると注目を集めている。
宇宙観測に使ってきたロケット「SS―520」の上段部分を改良し、重さが約3キロ、高さが最大約35センチの超小型衛星を載せた。ロケットの部品に携帯電話や家電に普及する半導体などの民生品をふんだんに使い、打ち上げコストを抑えた。
JAXAの実験責任者の羽生宏人准教授は9日の記者会見で「量産品の民生部品が(ロケットや衛星で)使えることを実証できれば、民間の宇宙利用を拡大できる。打ち上げまでに(改良などで)2年間かかった。絶対に成功させたい」と話した。