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 香港立法会(議会)の羅冠聡議員が9日、香港で記者会見し、親中国の過激派とみられる集団から香港空港で暴行を受けたことを明らかにした。羅氏は2014年の民主化デモ「雨傘運動」で活動し、中国に批判的な議員の一人。

 羅氏などによると、他の議員とともに台湾の政党「時代力量」が主催したフォーラムに出席し、8日夜に香港空港に戻ったところ、羅氏を「売国奴」とののしる集団に取り囲まれ、殴られたり、液体をかけられたりして軽傷を負った。台湾でも妨害行為を受けたという。羅氏は会見で「愛国の名を借りた暴力」と批判した。

 香港では昨年の立法会選挙で、羅氏ら中国に批判的な議員6人が当選した。台湾の時代力量は、過度の中国依存に懸念を強めた学生らが立法院議場を占拠した14年の「ひまわり学生運動」を背景とする政党。中国当局はフォーラム開催前、「『台湾独立』と『香港独立』を掲げる勢力が愚かにも結託して国家分裂をたくらんでも絶対にうまくいかない」(国務院台湾事務弁公室)と批判していた。(香港=益満雄一郎)