「マイルを貯める」最大の目的は、飛行機にタダで乗ることです。
でも、マイルを貯めて手に入る航空券(特典航空券と言います)は当然ですが航空券だけです。
つまり、マイルを貯めて手に入れた航空券で海外旅行に行こうと思っても、その旅行はツアーではなく、個人旅行なんです。
どうですか?行けますか?海外旅行にツアーではなく個人旅行で、行けますか?
今回のテーマにピッタリな人がいます。それは、私の母です。
私の母は大の海外旅行好きで、2016年は「生きているうちにアウシュビッツ強制収容所を見たい!」とポーランドに出かけました。ここ2,3年、私の知る限りですがクロアチア、スロベニア、オーストリア、チェコ、スロバキア、北欧など、さらに遡るとモロッコやチュニジアなど、いろいろな所に出かけています。
でも、全部ツアーなんです。
マイルを貯めても海外に個人旅行ではハワイにすら行くことができない母。いつも「マイルで沖縄」です。沖縄も勿論良い所ですけどね。
そんな母のような人は、マイルを貯めても国内しか行けないのでしょうか?
「がんばって個人旅行に行け!」なんて無責任なことは言いません。
マイルを貯めてツアーで海外旅行に行く方法を3つ、紹介したいと思います。
①現地空港から参加プランを使う
JALパックとANAハローツアーのパンフレットをJTBから頂いてきました。
実はこのパンフレットの中に小さく「現地空港から参加プラン」という文字があるんです。気づいたことありますか?
JALもANAも似たような条件ですが、参考までにANAの条件の一部を載せます。全文はこちらでご確認ください。
https://www.ana.co.jp/inttour/package/point/2/#a1_plan
現地空港から参加プラン
「現地空港から参加プラン」マークの付いたコースでは、国際線到着空港から現地合流してツアーにご参加になれます。
◎当プランをご利用のお客様も最少催行人員に含みます。
【日本在住の方で参加いただけるお客様】 ◎お客様ご自身で日程表記載と同じ便を手配して、国際線到着空港から現地合流してツアーにご参加になれます。
※日本からの往復航空券はお客様ご自身で手配、管理していただきます。 ◎行程1日目の現地係員との合流時から帰国日に現地係員と離れるまでが募集型企画旅行の契約(責任)範囲になり、その範囲の日程表記載の旅行サービスおよび付帯サービスが含まれます。 ◎お客様ご自身で手配された便の予約番号、便名、日付を、お申込みの際に必ずお知らせください。
どんな人向けに用意されているかというと、往復の航空券を特典航空券で用意する方、 現地在住の方や別の場所から来る方と合流する方(ロサンゼルスに住んでいる友人とハワイで合流して同じツアーで周る、など)、飛行機はANAがいいけど現地ではJALのツアーが良い方、などが利用できるように用意されています。ハワイの場合、ツアー会社によってトロリーのルートが若干違いますしね。
つまり、これを使えば特典航空券でパンフレットにあるツアーにそのまま参加できるということです。どれぐらいの金額の差があるのか、ひとつ紹介してみますね。
こちら、ANAハローツアーのパンフレットにあるハワイ・モアナサーフライダーに宿泊するコースです。表の一番左下、タワープレミアオーシャン6・7日間、A日程(2017年4月のGW前まで、5月のGW以降)で344,400円です。
ちなみにタワープレミアオーシャンの部屋からの眺望はこれです。
そのまま右の方をみると現地空港から参加プランの金額が264,000円とあります。差額は8万円。つまり往復の飛行機を8万円相当とみなしているようです。
この8万円という金額は、このパンフレット内ではどのホテルもどの日程も、全て8万円という差額となっていました。
5月のGW以降(5/9〜)だと、ハワイまでの往復特典航空券に交換するための必要マイル数はエコノミークラスで40,000マイルですので、マイルを貯めて特典航空券が手に入ったら、8万円安くツアーに参加できるということになります。40,000マイルが8万円相当の航空券と言った方が分かりやすいでしょうか。
ただし、ANAのハワイ行き特典航空券は大人気のため非常に取りづらいので注意が必要です。
なお、もしこの方法を使う場合は、まず乗りたい日の特典航空券を手に入れてからツアーの申込をしてください。逆でも問題ないですが、恐らく特典航空券が取れません。
特典航空券は往路出発日の355日前から予約可能ですので、特典航空券をこのタイミングで予約し、ツアーのパンフレットが出た頃を見計らってツアーの予約を入れる、といった感じになると思います。
なお、「現地空港から参加プラン」は全てのツアーに設定されている訳ではないようです。頂いてきたこちらのパンフレットには設定がありませんでした。この場合は、方法①は使えませんので以下の方法②を使うのが良さそうです。
②ANA SKYコインに交換してツアー代金に充てる
ANAで貯めたマイルは特典航空券だけでなくANA SKYコインというものに交換することができます。
ANA SKY コイン(ご利用条件)│ANAマイレージクラブ
ANA SKYコインの交換レートは年会費無料のANAマイレージクラブ会員だと1.2倍です。
40,000マイルだとツアーの代金48,000円相当に充てることができます。①の特典航空券だとエコノミークラスの場合、40,000マイルが8万円相当の航空券になる計算でしたので、48,000円ではかなり損に思えますね。
でも、陸マイラーのあなたはソラチカカードを持っていますよね。ポイントサイトで貯めたマイルを高レートでマイルに交換できるのがソラチカカードですが、ここでもソラチカカードは威力を発揮します。
ソラチカカードを含むANAカード会員であればANA SKYコインへの交換レートは1.5倍となり、40,000マイルだとツアーの代金60,000円相当に充てることができます。
ANA SKY コイン(マイルから交換する) | ANAマイレージクラブ
それでもまだ差額が2万円あります。やっぱり①に比べて②は損なのでしょうか。
まず②の場合、①と違うのはマイルが貯まります。①は特典航空券ですので、飛行機に乗ってもその分のマイルは貯まりません。一方、②の場合は特典航空券ではなくツアーの代金の一部をANA SKYコインで払っただけなので、普通にツアーに申し込むのと同じだけのマイルが貯まります。エコノミークラスのツアーの場合はハワイ往復で約2,300マイルが貯まります(積算率30%で計算)。
さらにもう1つ。①の特典航空券の場合は燃油サーチャージがかかりますが、②のツアーの場合は燃油サーチャージがかかりません。2017年2月以降はハワイだと往復4,000円の燃油サーチャージがかかりますが、ツアーの場合はこれがかかりません。
これで2万円の差額が16,000円と2,300マイルになりました。2,300マイルを先程のANA SKYコインの交換レートで考えて3,450円相当と考えると、差額は12,550円です。
残念ながらここまでです。しかし、②のANA SKYコインを使う方法であれば、①のように特典航空券が取りづらいことはありません。今から8ヶ月後、今年の夏休みの特典航空券を取ることはほぼ絶望的ですが、ツアーであれば問題なく取れるはずです。そう考えると、差額の12,550円はあまり大きくないのではないでしょうか。
もう1つ。これは朗報と言うべきか悲報と言うべきか分かりませんが、2017年2月に復活した燃油サーチャージですが、2ヶ月毎に改定されますので、4月や6月にはもっと高くなるかもしれません。
2月からは往復4,000円で済みましたが、もし次の段階に上がってしまったら往復8,000円です。さらに次に上がってしまったら往復12,000円です。ここまで上がったらツアーとの差額はほぼ無くなってしまいます。
もし仮に、4,6月と順調に(?)燃油サーチャージが片道2,000円ずつ上がって6月以降の発券に燃油サーチャージが片道6,000円、往復12,000円かかったとしましょう。
そして6月になって「よし、今年の年末はハワイだ!」と思い立って、運良く特典航空券が手配できたとしましょう。
ツアーのパンフレットに書かれている金額は、燃油サーチャージが変わっても値上がりしません。このパンフレットの場合、2018/1/2までとあるので、途中にどれだけサーチャージが上がろうとも、このパンフレットを使って、この期間内のツアーに申し込む以上は、値段は変わらないのです。
一方、特典航空券は発券した時期の燃油サーチャージ額が適用されるので、6月に発券した場合は往復12,000円の燃油サーチャージがかかります。
すると『①現地空港から参加プラン』と『②ANA SKYコインに交換するツアー代金に充てる』の差額は550円となってしまいます。
燃油サーチャージによってお得度は変わりますが、「②のANAスカイコインに交換してツアー代金に充てる」という方法も、なかなか使える手だというのが分かって頂けたと思います。
ちなみに①と②のツアーは、旅行代理店の窓口で申し込むこともできますが、インターネットで申し込むとちょっとお安く予約できます。
まずはハピタスから750ポイント
そして、ANAカードを所有していると表示価格の5%OFFとなります。
ANAカード会員様へのご案内|海外旅行・国内旅行・ツアー|ANA
③現地オプショナルツアーを利用する
上記①と②の方法はツアーをまるごと利用する方法でした。しかしこれらの方法では日本からのツアーが設定されている目的地にしか行けません。
とはいえ、ANAワンダーアースのサイトをちょっと見てみましたが、南極とかイースター島とかナミブ砂漠とか、かなりの旅好きの方しか行かないような場所もカバーされているので、③の方法は必要ないかもしれませんが、一応紹介しておきます。
ANAワンダーアース|海外旅行(ツアー)|ANA SKY WEB TOUR
③の方法とは、現地オプショナルツアーを利用する方法です。
例えばトルコに行くとして考えましょう。最近ちょっと治安が心配ですが、大好きな場所ですので、是非治安の良いトルコに戻って欲しいものです。
トルコ最大の都市、イスタンブールへANAは乗り入れていないのですが、ANAマイルを使ってANAが属するスターアライアンスの特典航空券を取ることが可能ですので、ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)やルフトハンザ航空、アシアナ航空、シンガポール航空でイスタンブールへと行くことができます。
空港に着いたら、ホテルまでの送迎サービスを使います。
送迎 » トルコ旅行・H.I.S.トルコ・イスタンブール支店
そして、イスタンブール市内の観光では日本語ガイドのツアーを使います。
【H.I.S.】イスタンブール終日観光 | 海外現地オプショナルツアー予約
カッパドキアでは旅慣れた方でもオプショナルツアーを使うのがオススメです。
【H.I.S.】 カッパドキア トルコ | 現地オプショナルツアー予約
このような現地ツアーをいくつか使えば、個人旅行であってもツアーに近い旅行にすることが可能です。
とはいえ、①や②よりはハードルが高いのでご注意ください。
H.I.Sの現地オプショナルツアーを載せたのは2つ理由があります。1つ目は「日本語ガイドの付くツアーが多い」という理由からです。
しかし現地オプショナルツアーは断然英語の方が安いです。英語で構わないという方にはこちらのサイトの方が種類も豊富で安くてオススメです。
もしVELTRAを使う場合は、このバナーからではなくハピタスから申し込んでくださいね。
また、H.I.Sを載せた2つ目の理由は「イスタンブール、カッパドキアにツアーデスクがある」からです。現地にツアーデスクを持つ日本の会社を一度は利用しておけば、「もし何かあっても助けてくれるかも?」という期待を持てます。
とはいえ実際に駆け込んだことはありませんので、助けてくれるかどうは分かりませんが。
もし何かあった時に助けを求めたいのであれば、トルコではイスタンブールだけになりますが、こちらのJCBプラザの方がオススメです。
JCBプラザ・イスタンブール | クレジットカードJCB 海外でも便利な優待特典やJCB PLAZA情報
主なサービス内容
1.ご案内
・JCB加盟店情報
・観光情報
2.ご予約
・ホテル、レストラン、オプショナルツアー、各種チケット など
※一部、現地旅行会社が手配・提供するサービスがあります。
3.緊急サービス
・カードの紛失・盗難時のサポート
世界60ヶ所にあるJCBプラザを利用するにはJCBマークの付いたカードが必要ですが、ソラチカカードにはJCBマークが付いていますから、ここでもソラチカカードが役に立ちます。
こんな感じに、現地オプショナルツアーを組み合わせたり、JCBプラザを利用することで、ツアーに近い旅行にすることが可能ですが、現地オプショナルツアーを付け過ぎると①や②のツアーより高額になってしまうことがあるので、ご注意ください。
以上、①から③までマイルを貯めてツアーで海外旅行に行く方法を3つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ツアー派の方であっても、マイルはちゃんと使える!マイルってやっぱりお得なんだ!って思って頂けたら嬉しいです。