白鵬救われた天皇陛下の書簡…天覧相撲は絶対負けない

2017年1月9日6時0分  スポーツ報知
  • 白鵬(左)が正代を引き落としで下す(右奥は観戦する研ナオコ)
  • 大相撲初場所初日の観戦のため、両国国技館を訪問された天皇、皇后両陛下(奥は八角理事長)
  • 白鵬(左)が正代を引き落としで下す(右奥は観戦する研ナオコ)

 ◆大相撲 初場所初日 ○白鵬(引き落とし)正代●(8日・両国国技館)

 昨年の初場所以来1年ぶりに天皇、皇后両陛下が観戦され、38度目の優勝を目指す東横綱・白鵬(31)=宮城野=が、新関脇の正代(25)=時津風=を引き落とした。2007年夏場所後の横綱昇進後、天覧相撲は5連勝。右足親指などのけがで3場所賜杯から遠ざかっているが、復活を感じさせた。

 新年初白星を飾った白鵬は、2階席からの視線を感じた。右を固めて肩から当たり、正代の腰を浮かせたところを豪快に引き落とし。新関脇の2度目の挑戦を退け、史上最多37回の優勝を誇る大横綱の威厳を示した。「終わった後、花道を下がる時に上を見たら、お二人で何かしゃべっていました」。5連勝を決めた天覧相撲との相性の良さを意識した。

 因縁があった。昨年夏場所4日目。仕切りの際、初顔合わせの正代が頭を指でかいていた。無意識とはいえ、注意力を欠いた行為に「横綱相手にありえない態度だ」と怒った。左の張り差しから右のかち上げという必勝パターンを崩し、強烈な右張り手で土俵下にはじき飛ばした。それから4場所。売り出し中のホープに「一番一番やっているうちに伸びてくるものだから。自分もそうでしたよ」と目を細める余裕も見せた。

 10年名古屋場所。相撲界が野球賭博問題で揺れる中での優勝は、協会が辞退したため賜杯もなく、悔し涙を流した。場所後、陛下から激励の書簡が贈られた。「おねぎらいとお祝い」という言葉の入った文面に救われた。協会にコピーしてもらった世界に2つしかない書簡は額に入れ、都内の自宅に飾っている。優勝がなかった天覧相撲の場所も、書簡を受け取ってからは11年初場所、15年初場所で賜杯を手にした。

 昨年は右足親指などの故障が重なり、秋場所で06年九州場所以来の全休を経験。元横綱・千代の富士(先代九重親方=故人)、元大関・魁皇(現浅香山親方)に次ぐ史上3人目の通算1000勝を九州場所で達成したが、11勝止まりだった。友綱審判副部長(元関脇・魁輝)は「先場所の成績でプライドを傷つけられたのかもしれない」と推察。昨年夏場所以来の賜杯は誰にも譲らない。(秦 雄太郎)

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