「追加措置」求める声について否定
安倍晋三首相は3日午前の衆院予算委員会で、慰安婦問題に関する日韓合意に基づき韓国政府が設立した財団内で、安倍首相による元慰安婦への「おわび」の趣旨を込めた書簡の送付などの「追加措置」を求める声があることについて、「我々は毛頭考えていない」と否定した。
昨年12月の日韓合意では慰安婦問題の「最終的、不可逆的な解決」を確認し、日本側が元慰安婦を支援する韓国の財団に10億円拠出することなどで合意したが、書簡送付は合意に含まれていない。首相は書簡について「合意した内容の外だ」と述べ、岸田文雄外相も「日韓合意の後、追加の合意はなされていない」と指摘した。民進党の小川淳也氏の質問に答えた。
北方領土問題をめぐるロシアとの交渉に関しては、首相は「四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する、という考え方に変わりはない」と強調。民進党の前原誠司元外相が歯舞群島と色丹島の「2島先行返還」の可能性をただしたのに対し、「そのような事実はない」と否定したうえで答えた。
首相はまた、ロシアによるウクライナ南部のクリミア編入問題について「(北方)領土交渉の中でクリミア問題を話すことはない」とし、「制裁しているからといって平和条約交渉が滞ることはない」と述べた。【小山由宇】