「話が違う」と立腹し会場を後にする海江田・元民主党代表。カメラを向ける田中に「どこの社?」と険しい口調で尋ねた。=8日正午頃、新宿アルタ前 撮影:筆者=
きょう午後都内で開かれた街頭討論会に出席することになっていた海江田万里・元民主党代表が、会場に不服を唱えトンズラした。
宣伝不足に寒さも手伝い、聴衆は10人足らずだった。海江田氏のご都合主義と無責任さに聴衆たちは呆れていた。
正午過ぎから新宿アルタ前で「新春経済政策クロストーク」と題する市民と政治家との街頭討論会が開かれた。
海江田氏はじめ共産党の大山とも子都議会議員、同党の衆院選立候補予定者ら6人が出席者に名を連ねていた。
関東地方は今冬一番の寒波に見舞われ、凍えるような一日となった。このため聴衆はまばらだった。街頭討論会が開かれるのか、筆者も心配になったほどだ。
開会直前にアルタ前を訪れた海江田氏は、寒々とした会場を見るや「ここはライブをやってはいけない場所だ。約束が違う」などと怒り始めた。
共産党の冨田なおき・東京一区くらし相談室長が「なんとか一緒にやっていただけませんか」と取りなしたが、海江田氏は聞き入れずプイッと会場を後にした。

海江田氏のトンズラにもめげず、都議会議員や総選挙の候補予定者たちが熱のこもった討論を繰り広げた。=8日午後1時頃、新宿アルタ前 撮影:筆者=
現場のアルタ前は「ライブ禁止」とする新宿警察署の看板があるが、政治家の街頭演説会場として定番の場所だ。警察が咎めているのをただの一度も見たことがない。
第一、政治家と市民の討論会が果たして、海江田氏の言うような「ライブ」なのか?
共産党の都議会議員、自由党の東京一区総支部長たちは予定通り、討論会を続けた。
仮に聴衆が数千人以上いたら海江田氏は討論会に出席していたのではないか。新宿は氏の選挙区である。
現場に居合わせた女性(杉並区・50代)は憤りを隠さなかった ―
「政治家は市民の声に耳を傾けなければならないのに、これではアベと一緒。人が少ないから『俺はやらない』とはサイテー」。
かつては東京一区の有権者だったという男性(現在は墨田区在住)は「民進党が野党共闘の中心にならなければならないにもかかわらず、自らチャンスを逃している。新宿に住んでいた時は海江田さんに入れていたのに、これでは情けない」と呆れた。
海江田氏は菅内閣で経産相を務めた他、民進党(当時民主党)の代表にも就いた実績がある。2014年の総選挙に東京一区から出馬したが、落選し比例復活もならなかった。
街頭討論会の主催者は、海江田氏が参加しなかった理由を「警察に届けていなかったため」と説明している。
~終わり~