札幌市電「ループ化」から1年 「歩道側に線路」方式は好評の一方で課題も
2015年12月に新規区間が開業し、環状運転になった札幌市電。それから1年を経過した時点での利用状況や整備効果が発表されました。
利用者数は1日あたり2000人以上増加
札幌市は2016年12月27日(火)、札幌市電の「ループ化事業」開業から1年が経過した時点での利用状況や、アンケート調査に基づく整備効果などを発表しました。
札幌市電は2015年12月19日まで、西4丁目~すすきの間を片道およそ45分で走っていました。「ループ化事業」は両駅のあいだ約400mを結ぶ新線を敷設し、JR山手線のような内回り・外回りの環状運転にしたものです。
これにより、たとえば中島公園通~西15丁目間では所要時間が31分から26分に短縮されたほか、年間の利用者数は前年同時期と比べて1日あたり2000人以上増加したといいます。市が実施したアンケートでは、「ループ化区間を歩かなくてよくなった」「移動時間が短縮した」などの回答が多かったそうです。
また、札幌市街の目抜き通りである札幌駅前通に敷設された新線は、道路の真ん中ではなく、左右の歩道側に線路を敷く「サイドリザベーション方式」が採用され、歩道から直接、電車に乗ることができます。その方式には約8割の人が満足していると回答。景観の向上にも寄与しているという意見がある一方で、「路上駐車や荷さばき作業ができなくなり不便」「自転車が通行しにくくなった」などの課題が生じていることもわかりました。
なお、利用者数は市交通局が発表。市民の声などは、市まちづくり政策局都市交通課が2016年8月と10月に計3回、西4丁目停留場、すすきの停留場など5か所で実施した「路面電車ループ化に関するアンケート調査結果」に基づくものです。
【了】
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