中国 汚職対策に「国家監察委員会」設置へ

中国 汚職対策に「国家監察委員会」設置へ
中国共産党は、汚職摘発に関する会議を開き、すべての公務員に対する監視や摘発をさらに強化するため、「国家監察委員会」という新たな組織の設置に向けて準備を進める方針を示しました。
中国共産党で、党内の汚職摘発を担う中央規律検査委員会は、北京で、8日までの3日間、全体会議を開きました。そして、会議のあとコミュニケを発表し、ことしの重要任務の1つとして、「党や国家のみずからへの監視を強化する」ことを挙げ、国家監察委員会の設置に向けて準備を進める方針を示しました。

国家監察委員会は、すべての公務員に対する監視や摘発をさらに強化するため、政府内の多くの組織に分散している汚職摘発部門を統合し、権限の集中を図る組織です。北京市と浙江省それに山西省の3つの地域では、ほかの地域に先立って、試験的に監察委員会を立ち上げることが先月すでに決まっており、3つの地域の実績を踏まえて、全国組織として拡大していくものと見られます。

中国では、ことし後半、5年に1度の共産党大会が開かれ、指導部メンバーの大幅な交代が行われる見通しで、習近平指導部としては、共産党大会を前に「汚職撲滅」に向けた取り組みを一層強化する姿勢を国民に示すことで、世論の支持をとりつけ、政治基盤を安定させたい狙いもあるものと見られます。