日本の英語教育がこれほど酷いのは、教育のすべてが、英語というものは「自然に」学習できるものである、という完全に間違った認識に基づいているからだ。
英語というのは自然に学習できるし、そう学習されるべきだという思い込みが英語教育の諸悪の根源なのである。
ようするに、英語というものは使っているうちに使い方が分かってくるのだからとにかく英語を使う機会を増やしさえすれば英語が使えるようになる、という考え方だ。
このような考えが一体どこから来るのか不思議だけれども、とにかく日本の英語教育はすべてこの考えに基づいて行われている。
だから日本の英語教育は単語と文法をものすごい軽視する。
単語と文法なんて何もしらなくても英語というのは理解できるようになる、という事を言い続けてきたのが日本の英語教師である。
しかし、英語というものは意識的に、理詰めでやらなければ絶対に分かるようにならない。
単語と文法が分からないのに英語を理解するのは不可能である。
日本人の英語力が悲惨なのは、日本人が必要な英語と文法を知らないからなのだ。
特に、外国語を勉強する上では単語をどれくらい知っているかが重要になる。
英語の力なんて、ほとんど9割以上単語をどれくらい知っているかで決まるといってよい。
必要な単語を知っていれば分かるし、知らなければ分からない。簡単な話だ。
だから英語を使えるようになるには英単語を勉強しないといけないけれども、これも何回か辞書で引いたら自然に覚えるようなものではない。
自分で単語のリストを作るなどして、徹底的に単語を頭に叩き込まなければいけない。
単語と平行して勉強しないといけないのが文法である。
でも、実は文法というのは文法だけ勉強してもほとんど効果がない。
普通、数学の定理を知っているだけでは数学の問題が解けないのと同じである。
数学の問題を解けるようになるには、いろいろと例を見てどのように定理を使えば問題が解けるのかを勉強する必要がある。
それと同じように、英語も文法の参考書を読んだだけではなかなか文法が身につかない。
実際に文法書の内容を身につけるには、英文解釈の参考書を読む必要がある。
英文解釈の参考書を読めば、英文を読むために文法の知識をどのように役立てればいいかが分かる。
英単語を1万語くらい覚え、難しめの英文解釈の受験参考書を3回くらい読めば、どんな英語の勉強をするにも十分な基礎が出来ているので後は楽勝である。
必要な単語と文法が全部分かっていれば、英語はすべて理解できる。
逆に必要な単語と文法が分からないと、英語は絶対にできるようにならない。
単語も文法も必要ない、みたいな感じの英語の学習法はいかにも楽そうに見えるが、そういう学習法は効率が非常に悪いから全く割りに合わない。
もし10倍楽な学習法があるとしても、効率が1,000倍悪いならば全然意味がない。
日本の英語の学習法というのは、ほとんどすべてがこの類である。
英語をどう勉強すればいいか迷っている人には、単語と文法(英文解釈)の勉強を通して、必要な事を直接的に学んでいくのが一番効率がよく、したがって一番楽な英語の勉強法であるということを言っておきたい。
電子出版した本
多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。
世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。