■少女像という火種残した合意
外交部はこの韓日慰安婦合意で「日本政府が責任を痛感」「安倍晋三首相の謝罪・反省」という表現を得たことに大きな意義があるとした。特に、日本側が「道義的」などの表現を使わずに責任を明確に認めたことが成果だとしている。さらに、日本政府の予算10億円で元慰安婦を支援するための財団を設立することにしたのは、事実上の「法的賠償」だと解釈できると外交部は評価した。もちろん、日本は「法的賠償ではない」と言っている。
さらに批判を呼んだのは、双方が「慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認する」と発表したことだ。「合意された措置を日本が誠実に履行するなら」という前提が付いてはいたが、これ以上、韓国政府が慰安婦問題を持ち出してはならないという意味だからだった。少女像に関連して尹炳世外交部長官が「可能な対応の方向について適切に解決できるよう努力する」と発表したことも批判の火種を残した。合意当日、岸田外相が「(少女像は)適切に移転されると聞いている」と述べるなど、日本では少女像の移転・撤去を既成事実化する報道が相次いだ。外交部は「民間が建てた少女像について、政府があれこれ指図するのは不適切だ」と言ったが、少女像に対する日本の要求は続いた。
韓日慰安婦合意に基づいて元慰安婦を支援するための財団(「和解・癒やし財団」)が発足する過程も順調ではなかった。安倍首相の側近・萩生田光一官房副長官が「財団設立式をする日に日本大使館前に少女像がそのまま残っていたり、そこで集会をしたりするのは想像したくない」と述べるなど、「まず少女像を撤去すべき」という主張が相次いだ。支援金の支払いを先送りしていた日本が10億円を入金したのは、昨年7月28日の同財団設立から1カ月が過ぎた昨年8月31日だった。その後、生存している元慰安婦39人中31人が同財団からの現金を受け取った。