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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

サイゼリヤの経営姿勢は飲食店の理想である

数年ぶりにサイゼリヤにいってみた。食後感をはじめに申すと、ビックリするぐらい良かった。っていうか安すぎである。なんだこの値段設定。

 

もともと興味をもったのは、イナダシュンスケさんのこの記事がキッカケだ。

 

inadashunsuke.blog.fc2.com

 

サイゼリヤというと、前はミラノ風ドリアぐらいしかイメージがなく、まああれなら食べなくても良いかなと思っていた事もあり暫く脚が遠のいていた。だが上の記事がどうにもこうにも旨そうなのと、子供ができたら暫くファミレスぐらいしか行けないだろうという思いもあって本当に数年ぶりに脚を運んだ。そしたらビックリするぐらい良心的で関心してしまった。

 

ワイン250mlで200円の衝撃

飲食店の経営は難しい。目の前に同じような店があったとしたら、店先に置いてあるメニューが100円安いというだけで99%の人は安い店を選ぶだろう。

 

客足がなければ売上が成立しない。そういう事情もあって、多くの飲食店は食べ物のメニューの原価率はギリギリの利益率に設定し、売上は飲み物代で検出しようとする。

 

日本の飲食業界は他の先進諸国と比較すると驚異的なコストパフォマンスを誇っている。けど、あれは諸外国から考えると生活が成り立たないレベルの価格設定である。欧米諸国に海外旅行をした事がある人ならばわかるけど、かの国ではそのへんの軽食堂で軽く飲食するだけで平気で1500~3000円は取られる(家でメシを作らず外食をすること自体が、そもそも贅沢行為と認識されているのである。だからこの値段設定でもある程度やっていける)

 

日本人の感覚からすると「はっ?高すぎじゃね???」と思うかもしれないけど、外食産業なんて先進国に所属している人間からすれば、それぐらいは取らないと元がとれないのだ。誰が好き好んで人が仕事をしている時間帯に食材を仕入れて仕込みをし、人が休み時間の時間帯に必死で働きたいと思うだろうか?(ちょっと考えて欲しい。昼飯と夜飯の時間に働くという事がどれだけムチャクチャな労働条件なのかという事を)

 

飲食は、そういう無茶振りを他人にしているという時点で物凄い贅沢品なのである。そのくせ店頭価格で低価格で勝負せざるをえない日本の飲食業界が、どこで儲けるかといえばドリンクしかないのである。ペットボトル一本2Lで200円のウーロン茶を200ml一杯500円で売ることで初めて儲けを計上しているのが、現在飲食店の経営をギリギリ成立させているからくりなのである。

 

ここまで読んできて頭のいい人なら気がついたと思うのだけど、じゃあ消費者として最も賢い戦法は何かという事になると飲み物を頼まない事になるのである。飲み物で粗利を出しているのならば、つまるところコストパフォーマンスを最上に設定したいのならば、儲けとなっている部分を潰すのが消費者における最善の戦略となる。

 

この観点からいうと、サイゼリヤは本当に凄い。まずワインが一杯100円である。250mlのデキャンタでも200円だ。アルコールを飲みたくないのなら、ドリンクバー200円でも全然いい。恐らく、どちらもかなり儲けは計上できるようになんとか仕組みを整備しているとは思うのだけど、200円なら誰も文句をいわずに水じゃなくてドリンクを頼もうと思えるだろう。

 

金のない学生でも、ミラノ風ドリア+ドリンクバーぐらいは頼める。あんまし稼げない社会人でも、生ハム+エスカルゴ+ミラノ風ドリア+デキャンタ・ワインぐらいは頼める(これでも精々1000円ぐらいだ。居酒屋にいくことと比較すれば、馬鹿みたいに安い)

 

デフレ+低成長の日本において、低価格メニュー+低価格ドリンクでしっかり利益を出すことのできるサイゼリヤの経営姿勢は感謝しか無い。これが消費者心理と、飲み物代で利益を出さざるをえない、ギリギリの回答だろう。

 

サイゼリヤは実にチェーン店の鏡である(ホームページによると、サイゼリヤの営業利益はなんと90億円(同119.9%)だそうだ。それでいて、ワタミのようなムチャクチャなブラックだという話は聞いたことがない。繰り返すがサイゼリヤは飲食の鏡である)

 

こんな天使のような企業が存在している事に、心の底から感謝である。そして難しいことは百も承知でいうが、同じようなジャンルの優良企業が今後出てきてくれる事に期待したい。

 

食事は人の生きる喜びである。サイゼリヤよ、本当に、ありがとう。