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思考実験、書評、あと雑記

ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』原作版(藤子・F・不二雄)感想

雑記
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こんばんは。夜中たわしです。

普段ドラマはあまり見ないんですが、今期は特に気になる作品があったため、1つ紹介します。

1月14日から、日本テレビ系列で土曜夜21:00~の枠に放送される『スーパーサラリーマン左江内氏』というドラマです。

これに興味を持っている理由は2つです。

  • マンガ版の原作者が藤子・F・不二雄
  • 脚本が『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一

私は『勇者ヨシヒコ』のように思いっきり悪ふざけをしてくる作品とF先生のマンガが大好きなので、余裕で視聴決定でした。

(深夜枠じゃないのに大丈夫なのかな?)

PVはこちら。

原作マンガ

原作は『中年スーパーマン左江内氏』というマンガです。1巻完結ものです。


ドラマ版は『スーパーサラリーマン左江内氏』になっていますが、おそらく「スーパーマン」という単語が、権利的に具合が悪かったんでしょう。

パーマンも、元々スーパーマンが登場してたのにアニメではバードマンになってましたし。

おかげでこの記事のタイトルが決めづらくて大変でした。

中年スーパーマン左江内氏

さてこの原作ですが、一言で言えば大人向けのパーマンです。

以降少し原作のネタバレが登場しますが、ドラマ版は大幅アレンジされるそうなので、ドラマだけを見る分にはほぼ問題ないと思います。

ストーリー

f:id:tawashix:20170108223659p:plain
(引用元:中年スーパーマン左江内氏 P16)


サラリーマンの左江内氏はある日謎の人物にスーパー服を託されます。

この服を着れば、以下のような能力が身につきます。

  • 飛行能力
  • 超怪力
  • 銃弾を跳ね返す
  • 透視能力
  • 事件察知能力(服を着てなくても発動)

まあ、大体無敵です。

左江内氏は人がいいため、事件の気配を感じると仕事中などでも無視できず仕事を抜け出して、事件解決に当たります。

しかしこの起こる事件、スーパーマンやパーマンのように大規模な事件はなく、人間同士の小さなトラブルがほとんどです(悪人に銃で撃たれるくらいはありますが)。

そして先程のリストに入れ損ねましたが、スーパーマン時の活躍は、他人の記憶に残らないという特性があります。


f:id:tawashix:20170108223802p:plain
(引用元:中年スーパーマン左江内氏 P19)


これはこの作品の大きなポイントになっています。要は、どんなに活躍しても自分の手柄にならないということです(ドラマ版でもこれは同じ)。これは辛い。

普通の中年が日常生活を送りながら、スーパーマンとして事件(しかもしょうもない事件)を解決していく。それも誰にも感謝されない状況下で。そのようなヒーローならではの葛藤が描かれます。

この全体を通してのギャップに加え、F先生ならではの皮肉の効いたテイストがたまらなく好きです。

ちなみに左江内氏がスーパーマンの後継者に選ばれたのはこんな理由です。


f:id:tawashix:20170108223841p:plain
(引用元:中年スーパーマン左江内氏 P20)

あのキャラが登場

ちょっと我慢できないんでこの作品で最も驚いたシーンを紹介させてください。

(原作版を買おうと決めている方は、ここをクリックしてスキップしてください







f:id:tawashix:20170108223901p:plain
(引用元:中年スーパーマン左江内氏 P242)


最終話、スーパーマンとしての自分の無力さに気づき、自暴自棄になる左江内氏。

そんな時、彼が通りかかります。

f:id:tawashix:20170108223918p:plain
(引用元:中年スーパーマン左江内氏 P243)


!!?


パーやん(パーマン4号)が出てきちゃいました。


この後については原作をご確認ください。

ドラマ版のラストがどうなるかは分かりませんが、流石にパーやんは登場しないと思います。


感想など

このマンガの世の中の評価を見てるとそこまで高くないんですが、私は楽しめました。

F先生のマンガはドラえもんやパーマン、キテレツ大百科など子供向けの作品の印象が強いですが、その真骨頂は大人向けの作品です。

特に異色短編集のシリーズはブラックユーモアが多く非常に面白いので、未読の方はぜひ手に取ってもらいたいです。

ドラえもんを見て育った大人向けですね。

ウルトラ・スーパー・デラックスマン

少し話変わって、F先生の作品のうち、『中年スーパーマン左江内氏』と似たテイストで印象深いものに、『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』という作品があります。

こちらはさらに毒の強い作品になっています。

左江内氏はスーパー服を着ることで能力を身に着けていましたが、『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』の主人公、句楽兼人氏(見た目は完全にラーメン大好き小池さん)は突如不死身の肉体を身につけます。

最近のアニメだと、ワンパンマンのサイタマみたいなもんかな?

句楽兼人氏も最初は正義感から活躍してたんですが、強すぎる力を持て余して暗黒面に落ちてしまい、国の当局から危険人物扱いされて核ミサイルを打ち込まれるほどになります(しかし当然平気)

そんな感じの話です。

これ、ラストが素晴らしく私好みで、オチが最高に好きな作品のひとつです。

興味を持った方は是非読んでみてください!

(画像を載せたかったけどマンガが手元になかった……今度実家から回収してこよう)

下記のいずれかを購入すれば、収録されています。

おわりに

なんか最終的に『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』の紹介記事になってしまったような気がしてきたので、この辺にしときます。(何かの間違いでドラマ版に登場して欲しい)

本記事を書いてる途中、F先生のマンガの話ならいくらでも書けるということに気づきましたが、この記事でそんなことをすると脱線している内容が本題を遥かに上回ってしまうので、またの機会に。

ともかく、ドラマ版の『スーパーサラリーマン左江内氏』、かなり楽しみ。待ち遠しい。

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