トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

日本初演から30年 鈴木ほのか「新時代のレミゼ見て!!」

2017年1月8日 紙面から

写真

 今年5月から日本初演30周年記念公演が行われる東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」(レミゼ)に、女優の鈴木ほのか(51)がマダム・テナルディエ役で出演する。30年の時を経て同じ舞台に立つキャストは初演でコゼットを演じた鈴木ただ1人。「この30年間にかかわってきた全ての人の力を借りて、レミゼが50年、100年と次世代につながる新しい舞台になれば」と願っている。

 鈴木は1987年のレミゼ日本初演時、オーディションで約1万2000人の中から主役のバルジャンの養女コゼット役の3人に斉藤由貴らとともに選ばれ、東京・帝国劇場の舞台に立った。高校を卒業して上京し、アルバイトをしながら故いずみたくさん主宰の劇団の養成所で学んでいた時だった。

 「初日のことは今もはっきり覚えています。登場シーンでスポットライトがまぶしくて、すごく緊張しました」。ロンドン発ニューヨーク経由で東京に上陸した大型ミュージカルの先駆けとなって、一大ブームを起こしたレミゼへの出演。「おかげで今でも『コゼットの鈴木さん』と言っていただいて。人生ががらりと変わりました!」

 コゼット役は91年まで務め、さらに97年から2001年まではコゼットの母ファンテーヌ役で出演した鈴木は、レミゼの魅力を「壮大な音楽、そして全員が主役という群集劇」と語る。「終演後のお客さまの顔が他の作品とは違う。心底感動していただきました」と当時を懐かしむ。

 今年、新たに挑むマダム・テナルディエは、コゼットを預かるいじわるな宿屋の女将。今回もトリプルキャストで演じる森公美子に代表されるように、マダム・テナルディエ役は近年、日本に限らず豊満でパワフルなキャラクターのイメージが強い役。コゼットを演じた30年前と変わらぬスタイルの鈴木は「絶対に自分は違う」と思っていたという。

 だが、オーディションに合格し、思いは変わった。「制作陣は今やミュージカル界のクラシックのレミゼを新しくしたいと考えているようで、『マダム・テナルディエも変えてくれ』と感じました」という。「プレッシャーもありますが、私自身も楽しみ。歌い慣れた曲ばかりですが、全然違うレミゼが生まれてきそうで。新時代の新しいマダム・テナルディエを見ていただきたい」と決意を新たにしている。 (伊藤智英)

 <鈴木ほのか(すずき・ほのか)> 1965(昭和40)年3月29日生まれ、愛知県一宮市出身。一宮高校卒業後、ミュージカル劇団「フォーリーズ」に入り、主演女優として活躍。「レ・ミゼラブル」のコゼット、ファンテーヌ役のほか、「ミス・サイゴン」のエレン役、劇団四季の「マンマ・ミーア!」ドナ役など数々のミュージカルに出演。ドラマや声優としても活躍している。

 <ミュージカル「レ・ミゼラブル」> 仏の文豪ビクトル・ユゴーの原作で、19世紀初頭のフランスを舞台に当時の社会情勢や民衆の生活を描いている。85年のロンドン初演後、日本では87年6月に初演され、東宝演劇史上最多の3006回の上演を数える。30周年記念公演は東京・帝国劇場で5月25日〜7月17日、中日劇場では9月下旬〜10月中旬。

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ