どうも、社蓄くんです。
今日は面白い記事を見つけたので、ご紹介したいと思います。
仏大手電力会社、太陽光発電のコストは2025年までに1kWh=1セントにまで低下する・電気料金はほとんどただに https://t.co/1wFuMemryo
— 時事ニュースTweet (@newsawards) January 5, 2017
1セントというと、1ドル=100円とすれば、1円です。
今の日本の家庭向け電力の平均料金は、各電力会社、プランによって差はあるかと思いますが、だいたい、1kWhあたり22円~30円というところではないでしょうか。
それから考えると、1kWh=1セントというのは、とてつもない低価格ですよね。
もちろんこれは発電コストですので、これを一般家庭などに配電する場合は、その費用なども加算されて、消費者が支払う電気料金となると思います。
ただ、ここまで発電コストが安くなると、既存の電力会社が所有している大規模な発電所から、送電線、変電所などをいくつも経由して家庭や工場、ビル、商業施設に送電するよりも、電気の需要地近傍に太陽光発電設備を設けて、そこから送電した方が安くなりそうな気もします。
個人的に興味がある分野ですので、少し検証してみたいと思います。なお、この検証は私の見解にすぎませんので、多少の誤りなどはあると思われますが、あらかじめご了承ください。
太陽光発電のメリットとデメリットについて
メリットはクリーンで燃料がいらないところ、純国産エネルギーなため、他国にエネルギーの供給源をゆだねる必要性が無く、エネルギー安全保障の面からも有利と思われます。
そして、他の発電に比べて、発電時の騒音が小さいため、都市部の近傍に設置できること、などが考えられますね。
デメリットは発電コストが他の発電に比べて高いこと、天候に左右される発電であり、太陽が出ていないと性能を十分に発揮できない、などが考えられます。
デメリットのひとつであった発電コストが他の発電に比べて高いというのが無くなれば、あとは発電が天候に左右されるという問題点を解消されれば十分に実用性のある発電と考えられます。
太陽光発電した電気を蓄電する
そこで、太陽光発電で発電した電気を蓄電するというアイディアがあります。晴れのときにいっぱい発電して蓄電し、曇りや雨などで発電ができないときは蓄電していた電気を使う、というスタイルです。しかしながら、蓄電するにはコストがかかります。
蓄電は高コストでした。なぜなら、100の電気を蓄電して、それをまた取り出すときは90の電気しか取り出せないといったように、蓄電ロスが発生するからです。この蓄電ロスの具体的な数値については、蓄電方法によっていろいろです。
また、蓄電する設備のコストもかかります。電池などは構造が複雑で、また高価格ですので、メンテナンス費用や設備更新の費用などを考えると、一般家庭全てに普及させるというのはなかなか大変でしょう。
電気自動車の普及で家庭に蓄電池システムが到来
ただ、リチウムイオン電池のコストは、電気自動車業界の活性化により、今後は低下する可能性があると思います。
テスラ新工場稼働でEV半額に | 2017/1/5(木) - Yahoo!ニュース https://t.co/r3HWEAxWXY #Yahooニュース
— 時事ニュースTweet (@newsawards) January 6, 2017
上のニュースはテスラの新工場稼動のニュースですが、電池のコストの低下に注目されます。
テスラのような会社が供給する電気自動車は一般家庭もターゲットにしています。電気自動車は蓄電池システムを搭載していますので、太陽光発電設備がある家庭ならば、電気自動車との相乗効果が期待されると思います。
例えば、通勤に利用しているならば、1日に乗車する距離が限定できますので、それを越える部分は家庭用の電力として消費すれば、電力会社から電気を購入する必要はありません。
太陽光発電であまった電気を水素生成に利用する
太陽光発電で発電した電力で水を電気分解し、水素を生成し、水素タンクにためることが可能です。ただ、従来は太陽光発電のコストが高コストであることに加え、水を電気分解し、水素を生成、さらにそれを水素タンクに充填して、再び電気として取り出して使用する(水素の蓄電システム)となると、損失が大きく、割に合わないという問題点もあったようです。
ただ、太陽光発電のコストが著しく低下し、それこそ捨てるほど電気があまるようになれば、先述のような水素蓄電システムも割に合うようになるかもしれません。
そうなると、市町村単位で水素ボンベと水素発電システム(燃料電池など)を設置し、配電網で配電すれば、大規模な送電・変電システムが不要となる可能性もゼロではないかもしれません。
住宅やアパート、店舗の屋根に太陽光発電設備があるのは当たり前の時代になり、電気自動車で細かい電気のやりくりを行い、市町村単位の水素発電システムで配電網の大きな電気の変動を吸収すると言う方式です。
燃料なる水素は配管で供給してもいいですが、タンクローリーで定期的に運んでくるのでも、可能であるように思います。
トヨタ、太陽光と燃料電池、蓄電池で工場内ビルのゼロエミ目指す https://t.co/pFP0Q2eVJ5
— 時事ニュースTweet (@newsawards) January 6, 2017
上のニュースはトヨタが工場内のゼロエミッションを目指すという記事です。
結局は水素を供給する源となる電気をどうするか、という話になっていくのではないかと思います。その電気が太陽光発電でとても安価に手に入るとなれば、水素社会の実現の可能性も出てくるのではないでしょうか。
水素社会の到来と産業構造の変化
水素社会になると、今までの産業構造に大きな変化が発生する可能性があると思います。
石油産業や電力産業は大きな変化の波を受けるのではないかと思います。
特に電力産業は戦前より巨大な発電所を建設し、それを長距離の送電線や変電所を仲介して需要地と結ぶことで、事業を行ってきました。
国民からの評判が良いとはいえず、事故対策の費用が巨大である原子力発電や、高コストの石油焚き火力からは撤退しないと、経営が難しい割に合わない時代が来るかもしれません。