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【釜山・慰安婦像設置】
日本の対抗措置に「非常に遺憾」 問われる韓国の国際常識
【ソウル=名村隆寛】釜山(プサン)の日本総領事館前に慰安婦像を設置した国際条約違反への日本政府の対抗措置決定に対し、韓国外務省は6日、「非常に遺憾」とする報道官論評を発表。尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は対抗措置として帰国する長嶺安政駐韓大使を呼び、遺憾の意を伝えた。事実上の抗議とみられる。特に韓国側が強く望んでいる通貨交換(スワップ)協定再開の協議中断に衝撃を受けているようで、協議を担当する企画財政省も遺憾の意を示した。
釜山で像が設置された先月30日、韓国外務省は「外交公館の保護に関する国際儀礼や慣行の面からも(設置場所を)考える必要がある」と表明し、日本の公館前に慰安婦像を置くことが国際儀礼に反していることは理解している。だが、強い反日世論を前に、像撤去にまで踏み切れていない。
慰安婦問題での日韓合意で、韓国はソウルの日本大使館前の慰安婦像の問題が「適切に解決するよう努力する」と約束した。にもかかわらず、朴槿恵(パク・クネ)大統領はじめ韓国政府は「民間の行為にあれこれ言えない」と言い訳を続けてきた。