韓国側の理不尽極まる対応を受け、日本政府は今回、(1)長嶺・駐韓日本大使と森本康敬・在釜山日本総領事の一時帰国(2)日韓スワップ協定再開の協議中断(3)在釜山日本総領事館が参加する交流事業の参加見合わせ(4)日韓ハイレベル経済協議の中断−の4項目を発表した。かつてないほど厳しい対応といえる。
この背景について、官邸周辺は「安倍政権の『もう許さない』という断固とした意思表示だ」といい、続けた。
「日本側は『元慰安婦の支援財団への10億円拠出』など、日韓合意をすべて履行した。ボールは完全に韓国側にある。ところが、釜山の日本総領事館前の慰安婦像設置を黙認した。官邸としては『日本をナメるな』という思いだろう。安倍首相は合意時に、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対して『慰安婦像の新設は合意違反だ』と通告している。これは日韓合意の間に入った米国も認識している」
別の政府関係者も続けた。「安倍官邸は日韓合意後、『今後は対症療法でいく』『ハッキリと動く』という認識で一致している。今回打ち出した対抗措置は、その路線に乗ったものだ。日本は過去の経験から『韓国にいくら譲っても、ゴールポストを動かされるだけだ』と見切っている。『世界各国の首脳は、日本の対応を理解している』との自信もある。朴大統領の後は『反日左翼政権』が誕生する可能性が高い。それも見据えた対応だ」
日本の毅然とした対応を受け、韓国側はやや動揺しているようだ。
韓国外務省は6日、「非常に遺憾」「困難な問題があっても、両政府間の信頼関係を基に韓日関係を持続的に発展させていかなければならない」という報道官論評を出した。