大卒で公務員試験に受かっていても知的障害が認められたケース
ご相談にいらした状況
お父様からメールでご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士舩田による見解
お父様から詳しくお話を伺ったところ、幼少の頃より理解力が低く、集団行動ができないなどの特徴があることには気づいておられました。しかしご両親としては息子に障害者だと認めることが辛かったため、小中学校で担任教師より養護学級へ移るよう勧められても聞き入れず、高校も知り合いに頼み込んで入学させてもらったそうです。高校在学中も成績は非常に悪く、本来であれば卒業できないところを頼み込んでなんとか卒業させてもらえたそうです。
お父様は息子に安定した生活を送れるようにしてやりたいと考えて、筆記試験の無い大学へ進学させました。卒業後は無理やり専門学校へ通わせ、数年かけて公務員試験に合格させたそうです。しかし理解力が低いうえに、他人とのコミュニケーションに難があったため、試用期間終了と同時に退職させられてしまいました。
その後に精神科を受診させてみたところ、IQは75と境界線上であり、広汎性発達障害であったこともわかりました。お父様としては直ぐにでも障害年金を受給できるようにし、本人を安心させてやりたいと強く希望されていましたが、初めて医師の診察を受けた日(初診日)から数か月しか経過しておらず、後1年以上待たなければ障害年金は申請できない状況でした。障害年金の申請は、初診日から1年6か月経過しなければ原則申請することができません。しかし知的障害があると認められた場合は、例外的な取り扱いとして生まれた日が初診日と見なされる決まりがあるため、20歳を超えていれば申請することができまるのです。
しかしこの方のIQは75と比較的高く、小中高も普通学級に通っておられました。しかも4年制大学を卒業されており、公務員試験に合格したこともありましたので、軽度の知的障害とは見なされない可能性がありました。
受任から申請までに行ったこと
医師に診断書を依頼する際に、軽度でも精神遅滞があると認めておられる場合は、その旨もお書きいただくようお伝えしました。また、軽度の知的障害と見なされなければ1年以上申請することができませんので、養護学級を断って無理やり普通学級へ通わせていたこと、高校へ入学し卒業するまでの経緯、大学に入学できた理由などを具体的に病歴就労状況等申立書へ書き込み、状況を理解してもらえるようにまとめました。
結果
無事障害基礎年金2級に認められました。
知的障害に関する障害認定基準の中には、知能指数だけで障害状態を判断してはならない旨が明記されています。そのためIQが低くても、診断書の内容などから障害状態を軽く判断されてしまい、不支給とされてしまうことが良くあります。逆にIQが比較的高くても、日常生活の困難さなどが伝われば、障害等級に認められることもあります。全ては申請書類の内容次第ですので、そのことをよく理解している専門家へまずはご相談されることをお勧めします。
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