産経ニュース

【緯度経度】トランプ氏VS中国の行方 「常軌を逸した」封じ込めに中国が譲歩? 古森義久

ニュース 国際

記事詳細

更新

【緯度経度】
トランプ氏VS中国の行方 「常軌を逸した」封じ込めに中国が譲歩? 古森義久

ドナルド・トランプ次期米大統領(AP) ドナルド・トランプ次期米大統領(AP)

 米国にまもなく誕生するトランプ新政権が中国に対して強固な対決姿勢を取る展望がますます強くなってきた。歴代の米政権の対中政策でほぼ死語になっていた「封じ込め」という表現さえも、トランプ陣営では口にされるようになった。

 それにしてもトランプ氏のオバマ政治否定はものすごい。オバマ大統領の8年の主要政策すべてを否定、いや正反対へと変える逆転の構えなのだ。オバマ大統領が最大精力を注いだオバマケア(医療保険制度改革)を、トランプ氏が議会共和党と組んですでに撤廃の措置を取り始めたことが典型例である。

 対中政策も似た進路を取ることが確実となってきた。オバマ政権は中国には関与と抑止、協力と反対の両方の政策を公式には唱えてきた。だが現実には中国の軍事力を背景とする強引で無謀な行動に対し融和を求め続けた。その背景には一貫してオバマ氏自身の極端な軍事忌避という潮流があった。トランプ陣営は選挙中からその姿勢を軟弱かつ危険だと非難し続けた。

 当選後のトランプ氏の言動は反オバマ的対中政策の構図を打ち上げ花火のように明確にしていった。

続きを読む

「ニュース」のランキング