2017-01-07
駐韓大使一時帰国で思うこと
日本の駐韓大使ら一時帰国へ 「慰安婦」像設置に対抗 - BBCニュース
絶望する気はさらさらないけれど、現状認識を整理するために軽く書いておく。
たとえば。
ドイツの首相が連邦議会で「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。ナチスの行為についても国と国との関係でどちらから見るかで評価が異なる。」と答弁をし、また連邦政府もそれを追認する閣議決定をおこなう。一方、連邦国防大臣はナチスを賛美する施設を訪問。軍事予算は過去最高を記録。そんな背景がある中、オランダでアンネ・フランク像が民間団体の手によってドイツ領事館前に建立されるが、それを受けたドイツ政府はオランダに対して異例とも言えるほどの強硬な対抗措置をおこなうのだった…。
…という状況が発生したとしたら、いわゆる国際社会はこれをどう見るだろうか。
客観的に見て、ドイツ社会に何か良からぬ異常事態が起きていると見るだろうし、また、極めてきな臭いものを感じもするだろう。
僕はナショナリストではないのでこういう書き方はしたくないけれど、会談翌日にTPP破棄を明言されるなど、トランプにあれだけコケにされても怒らず。北方領土にまつわる外交でもあれだけプーチンにコケにされても怒らず*1。沖縄で米軍属に女性を殺されても怒らず。何度も何度も日米地位協定の不条理が展開されても怒らず。一方で、韓国に対しては「いいぞもっとやれ」と快哉を叫ぶ。
社会集団を擬人化する愚を犯して書けば、これは控えめに言っても「欧米コンプレックスをこじらせ過ぎ」だし、端的に言ってしまえば「小物の態度」そのものだ。それは、恥ずべきことではないのか。そして近隣の東アジア諸国のみをことさら侮蔑的に見るこの姿勢は「対支一撃論」の頃と何も変わりがない。その果てに何があったのか、今一度、僕たちは思い返すべきだろう。
そして、このことによって内閣の支持率が上がるようであれば、それはこの社会がルビコン川を渡ってしまったということを意味する。為政者の側も、自身が麻薬のようなツールを手にしたことに気が付くことになるだろう。
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