仙台中1いじめ自殺、遺族が少年8人を提訴──「加害生徒」が訴え続ける謎と疑惑
2016年10月13日 18時00分 週刊女性
記録表を見ると、聴き取り内容は「(A君が)“変態”といわれた件について」と題され、その真偽確認のための聴き取りだった。龍太君の証言はこう記録された(概要)。
「7月初め、Aにあだ名『〇〇』と言った。そのときAは笑っていた。8月後半にも言った。夏休み明けから、学校であだ名『△△』と言った。Bが下ネタを言ったので、その流れから言った。Aは笑いながら流して、その後、みんなで図書館に行き本を見た」
たわいもない話だ。しかも龍太君は「変態」と言っていない。この証言で後日、加害者扱いをされて龍太君は落ち込む。大親友というわけではなかったが、A君が悩んだとき、龍太君に会いに自宅に来るような信頼関係はあった。
加害生徒とのレッテルを貼られた龍太君は今、無理をして登校している。
「学校は楽しくないです。でも行かなきゃ“やましいことがあるからだ”と言われるかもしれない。帰宅したらとにかく疲れます。だから受験先も決まりません」
隣にいる母の愛子さんも表情が沈んでいる。
「いっそ、遠くの高校に行くしかないかな……」
「この5件がいじめなの?」
学校での聴き取り調査のあと、仙台市が諮問した、専門家で構成する『仙台市いじめ問題専門委員会』(以下、委員会)も11人に同様の聴き取り調査を実施した。
そして委員会は昨年6月23日に答申を、次いで今年3月24日に第2次答申を出し、本件をこう結論づけた。