首相 多角的な外交で安全保障環境の改善図る考え

首相 多角的な外交で安全保障環境の改善図る考え
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G7=主要7か国など各国首脳の交代が進む中、安倍総理大臣は、アメリカのトランプ次期大統領との関係構築に加え、中国との関係改善やロシアとの関係強化など、多角的な外交を通じて日本を取り巻く安全保障環境の改善を図る考えで、ことしはその外交手腕がこれまで以上に問われる年となりそうです。
安倍総理大臣は、政権発足以来4年余り、地球儀をふかんする外交を掲げ、積極的な首脳外交を展開し、各国首脳との間で個人的な信頼関係を構築してきました。

しかし、アメリカでは今月、トランプ新政権が発足するほか、イギリス、イタリアでは去年、首相が相次いで代わり、フランスのオランド大統領もことし春の大統領選挙への立候補を断念するなど、G7=主要7か国の首脳の交代が進んでいます。

さらに、中国では、ことし秋に5年に1度の共産党大会が開かれ、最高指導部の人事が行われるほか、韓国では、パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾を求める議案が可決され、政局が流動化しています。

こうした状況を踏まえ、安倍総理大臣は、まずは安定的な日米関係を維持するために、トランプ新政権発足後、速やかに日米首脳会談を行いたいとして調整を進めています。

ただ、トランプ新政権の外交方針は方向性がはっきりしておらず、アジア太平洋地域を重視するオバマ政権の外交方針も、どの程度継承されるのか明確ではありません。仮に、日本を含む同盟国との関係を見直したり、対中国、ロシア外交を大きく転換すれば、日本が大きな影響を受けることは免れません。

このため、安倍総理大臣は、トランプ次期大統領との関係構築を急ぐとともに、国交正常化45周年を迎える中国、それに、韓国との関係改善や、去年暮れに首脳会談を行ったロシアとの関係強化に取り組む方針です。

安倍総理大臣としては、こうした多角的な外交を通じて日本を取り巻く安全保障環境の改善を図る考えで、ことしはその外交手腕がこれまで以上に問われる年となりそうです。