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ニュージーランドM7.8 海底隆起で土地が生まれた!観光の目玉に?

 昨年11月、ニュージーランドで起きた巨大地震では、2メートルを超える津波を観測し、南島北部のカイコウラで道路の陥没やがけ崩れなどの被害に見舞われた。しかし、地殻の変動により、海岸沿い約20キロにわたって、海底が隆起し、新たな土地が出現しているのが確認された。

 

 ニュージーランドの南島北東部で昨年11月13日に発生したマグニチュード7.8の地震では、直後に最大2.5メートル近い津波が発生。沿岸のカイコウラでは、がけ崩れで道路が寸断されるなどの被害があった。

 

 地殻変動に伴って、周辺では海岸線沿いの約20キロにわたって、50センチから2メートル近く、海底が隆起。これまで海の中にあったサンゴ礁や岩礁が海面上に露出し、新たな土地が出現した。

 

 これは、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星が、地震発生から10日後にとらえた画像で、その一カ月前に別の衛星が撮影した写真と比較すると、カイコウラ半島の先端の北東部分に新たな岩礁が出現したことがよく分かる。

 

 現場までヘリコプターで調査に訪れた研究グループによると、地盤の隆起は最大で5.5メートルの高さに達し、そこにはさまざまな海洋生物が取り残されていたという。

 

 付近の住民は「余震の音は聞かれなくなったが、隆起した地盤から海水が流れ出す音はこれまで聞いたことがなく、恐ろしくて夜に飛び起きることがある」と話しているという。

 

 ニュージーランドではホークスベイ地方で起きたM7.8の地震では、沿岸のネーピア市が壊滅的な被害を受けた。しかし、地盤が平均して1〜2メートル上昇したことから、沼地が耕作地や住宅地に生まれ変わり、空港建設のための用地も整備された。市街地は当時の流行だったアールデコスタイルに統一され、世界有数の美しいアールデコ建築が見られる街として、名を知られるようになった。地震による意外な副産物とも言える。

 

 今回、新たに出現したカイコウラの土地は、将来、再び沈降する可能性もあると指摘されているが、地元では復興のための新たな観光資源にしようという動きも出てきているという。

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