ジャニーズ新企画【J】Hey!Say!JUMP中島裕翔「より“JUMP”できるようなグループに」
今年から毎月第1金曜日のインタビューコーナーは「J(ジェイ)」と題し、ジャニーズの人気アイドルが登場。記念すべき第1回は、11月にデビュー10周年を迎えるHey!Say!JUMPの中島裕翔(23)。俳優としても成長著しく、7日に主演映画「僕らのごはんは明日で待ってる」(市井昌秀監督)が公開される。デビュー当時は14歳。「いつまでも、かわいく歌って踊っていても生きていけない」。1年以上もCDが出せなかった苦しい時代も経験しながら、りりしい青年へと成長したアイドルの本音と目指すべき姿に迫った。
新年は、東京ドーム史上初となる1日2回公演で幕を開けた。昨年までKinKi Kidsが毎年立っていたステージを受け継いだ。
「大役でした。責任を感じますね。今までKinKiさんがやられていたところを僕らに任せていただいた。最高のスタートでした」
15年は京セラドーム大阪で年越しライブを行った。同じ巨大空間ながら、重みが違った。
「大阪の時も、今までKAT―TUNさんがやられていたところを任せていただいたけど、楽しむというか。東京となると…。JUMPに期待してくれているんだなとプレッシャーも感じながら、僕らも先輩みたいにどんどん成長していかないといけないんだろうという思いです」
今年、グループはデビュー10周年を迎える。大きな節目は、アイドル人生を振り返るきっかけにもなる。
「23歳で10年か…という部分もありますけど。言ってしまえば、ゴールじゃない。通過点。改めて、いろんなことがあったなと頭を巡らせることはたくさんあるけど、やってきて良かったなという思いはすごくある」
デビュー時は14歳。そこからの10年の青春時代を、アイドルとして過ごしてきた。大人に成長したからこそ、気付くことは多い。
「メンバーにもそうですし、周りの人にも、前よりかは思いやりを持って仕事ができているんじゃないかなと。周りが見えるようになってきた。そうありたいと常に思いますし、徐々にですけど、そこは成長できているんじゃないかなと自負はあります」
母親が履歴書を送ったことをきっかけにジャニーズ事務所に入った時は、まだ小学生だった。
「ちっちゃい頃は訳も分からず、失礼ですけど、若いうちからチャンスをいただいて、歌って踊るのが当たり前みたいな感覚になっていた。自分で言うのもなんですけど、すごくかわいがってもらった。チヤホヤされまくった。どこ行っても『かわいい』って。感覚狂っちゃいますよね。そういう意味で、10年たって自分が見えてきた。当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃないと感じられるようにはなってきたかな」
07年のデビュー時には、東京D史上最年少公演(平均年齢15歳7か月)という記録を打ち立てた。華々しいスタートを切ったが、そこから順風満帆ではなかった。
「(デビュー3年目の頃に)2年に1枚ぐらいしかCDを出せていない時があった。最近はありがたいことに、コンスタントにCDをリリースできる環境にいる。当時そこまで危機感はなかったけど、今思うと…。過ぎてから、本当にあの時やばかったなと思う。だから今年は、お世話になった方々や応援してくれているファンに、感謝の気持ちを、より伝えられるような1年にしていきたい」
最近は「チケット入手困難」と言われるグループへと成長を遂げた。個々が力をつけたことが大きく、中島も俳優として地位を確立しつつある。
「お芝居をやる上で、変な意味じゃなく、キラキラ感を捨てるというか。どうしても『ジャニーズのアイドル』をしていると『キラキラしている』『華があるよね』と言っていただける。そこのエゴだったりは、お芝居ではいらない。一番大きかったのは、いろんな葛藤を抱える役だったけど『半沢直樹』(13年、TBS系)で普通の役で出たのが大きかったですね」
社会現象となったドラマで主人公を慕う実直な銀行員を演じた。視聴者の中には「中島裕翔=アイドル」と思わない人も多かったという。昨年、ゴールデンタイムの連ドラ初主演作で商社の新入社員を演じた「HOPE」(フジテレビ系)も同様だ。
「ご年配の方から直筆の手紙が来たりもした。今まで、そんなことはなかった。こういう影響を与えられるんだと思った時、アイドルはこうじゃなきゃいけないというこだわりを捨ててやることが必要だと思った。あえて普通になる。溶け込むということを学べた。そこからスーツを着る役が多くなりましたけど(笑い)」
2度目の映画主演作となる「僕らの―」では、無口な草食男子の高校生役。ヒロイン役の新木優子(23)と心温まる青春ラブストーリーを紡ぎ出す。昨年も、新年早々に初主演映画「ピンクとグレー」が公開された。
「昨年と同じようなスケジュールで、今年もいい1年が送れるような気がします」
Hey!Say!JUMPが基本にありながら、グループを飛び出して学ぶことは多い。
「ジャニーズという枠を飛び越えて、素晴らしい方たちがいる土俵にお邪魔させてもらっているという感じ。たとえば人生の話だったり、年上の方の話を聞くのも、すごく楽しい。歌って踊るだけじゃ生きていけないというところで、これからもお芝居を頑張りたいなと思っています」
グループ内にも、同い年のライバルがいる。「暗殺教室」(15、16年)、「鋼の錬金術師」(12月公開、曽利文彦監督)など話題映画への出演が相次ぐ山田涼介(23)だ。
「特にヤマ(山田)には刺激を受けるばかり。自分にないものを持ってるし、何より存在感がある。僕は、同じことはできない。普通に溶け込むような方が得意。お互い違うことができるって認め合ってると思う。それは、ヤマも言ってくれる。『ユウティにしかできないお芝居があるよね』って。ライバルだけど、お互いを認め合っているいい関係性というか。ともに切磋琢磨(せっさたくま)、僕から彼に影響を与えられていることがあれば、うれしいと思う」
メンバーが9人もいれば、個性はぶつかり合う。
「かぶらないようにするのが大変! 自分は俯瞰(ふかん)でみんなを見ているような気がする。9人いて、9種類あるんだぞ、というのをグループの武器としてやっていきたい。自分は脇役でもいい。お芝居でも、主役じゃなくていろいろ挑戦したい。それこそ、今まで好青年の役が多かったけど、そのイメージをぶち壊すような役もやってみたい」
グループとして、さらなる飛躍のきっかけをつかむ1年になる。
「やっぱり夢は5大ドームだったり、そういう大きなイベントを任せられるようなグループになりたいし、今は『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)が深夜枠なので、もうちょっと早い時間に進出したい。ただやらせてもらうのでなく、成果を出していかないと。より“JUMP”できるようなグループにするため(10周年は)また新しいスタートです」
◆中島 裕翔(なかじま・ゆうと)1993年8月10日、東京都生まれ。23歳。2005年に木村拓哉の主演ドラマ「エンジン」(フジ系)でドラマ初出演。07年9月に「Hey!Say!JUMP」のメンバーに加入。同11月にCDデビュー。08年に「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」(日テレ系)で山田涼介らと4人で主演。14年「水球ヤンキース」(フジ系)で連ドラ単独初主演。16年「ピンクとグレー」で映画初主演した。
※1月6日付「スポーツ報知」(駅、コンビニで販売)では、特大写真入りで「J」を掲載しています(毎月第1金曜日付掲載)。
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