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【首都スポ】

高校サッカー 佐野日大、歴史作った初4強 後半ロスタイムに劇弾

2017年1月6日 紙面から

佐野日大−駒大高 後半ロスタイム、冷静に右足を振り抜いて決勝ゴールを決める佐野日大の長崎(左)=フクダ電子アリーナで(武藤健一撮影)

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◇全国高校選手権<準々決勝> 佐野日大2−1駒大高

 第95回大会は4試合を行い、関東勢では佐野日大(栃木)が駒大高(東京A)に後半ロスタイムの決勝点で競り勝ち、初めて準決勝に進出した。前橋育英(群馬)はPK2発で滝川二(兵庫)に快勝。準優勝した第93回大会以来2大会ぶり6度目の4強入りを果たした。正智深谷(埼玉)は、今季の高円宮杯U−18プレミアリーグを制し、2冠を狙う青森山田の前に敗れた。準決勝は7日、さいたま市の埼玉スタジアムで行われる。

 佐野日大が、劇的な幕切れで初の選手権4強を勝ち取った。FW長崎達也(3年)が終了間際に決勝点を決め、栃木県勢としては2009年度の矢板中央以来となる準決勝進出を決めた。

 1−1で迎えた後半ロスタイム。ゴール前のこぼれ球を拾った長崎が縦パスを通し、FW大熊がそれをヒールで落とす。それを受けた背番号10の長崎が冷静に右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。それを見届けると、観客席へと駆け寄り、チームメートとともに歓喜の声を上げた。

 試合後、殊勲のヒーローは「大熊がうまく引きつけてくれた。シュートは冷静に決められました」と、得点の場面を誇らしく振り返った。

 試合開始から駒大のパワフルなサッカーに対し、11人全員で耐え続ける苦しい展開となった。後半22分に失点したが、そこから驚異の粘りを見せる。その4分後にセットプレーから同点に追いつくと、PK戦突入もちらつき始めた中、劇的な勝ち越し弾を奪った。

 「自分たちよりもうまい相手なので、押されることは想定内だった。諦めることなく最後に決めきることができた。(佐野日大の)歴史を塗り替えられてよかった」

 そう話す長崎は卒業後、スポーツ整形外科医を目指すという。曽祖父から代々、医師の家系で育ち、「けが持ちの選手を側で見てきたので」と将来の夢を口にする。長崎の高校サッカーも、残すは最大で2試合。「ここからは強い相手ばかり。先を考えずに一戦必勝でやっていきたい」。3年間苦楽を共にしたチームメートとの最高にホットな冬はまだ終わらない。 (馬場康平)

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