マグロ7420万円!すしざんまい、築地初競りV6…今年こそ最後?
- 築地市場マグロ初競りの最高値(1本あたり)
- 築地市場の初競りで、7420万円の最高値がついた大間産クロマグロを披露する「すしざんまい」の木村清社長
- 「すしざんまい」本店で、自らマグロを解体する木村社長
東京・築地の中央卸売市場で5日、新春恒例の「初競り」が行われ、大間産クロマグロが7420万円、1キロ当たり35万円の最高値で競り落とされた。記録のある1999年以降では、2013年の1億5540万円(同70万円)に次ぐ2番目の高値となる。築地市場は来冬にも豊洲市場へ移転する見通し。6年連続で落札したすしチェーン「すしざんまい」を運営する喜代村の木村清社長(64)は「最高です! ちょっと高かったけど」と、最後かもしれない築地での勝利に浸っていた。
午前5時から始まった初競り。最高値で落としたのは、いつものあの“マグロ王”だった。6年連続での快挙に、木村社長は「最高です!」と独特のダミ声で大喜び。「みんなにおいしいマグロを食べてもらいたい一心でした」と満面の笑みを見せた。
同日午後、解体ショーが行われた「すしざんまい」本店前には、初競りマグロを求めるお客さんが長蛇の列。通常通りの赤身128円、中トロ298円、大トロ398円の値段で、一人いずれかにぎり1貫限定で提供された。木村社長も「毎年毎年、赤字ですよ~。元取れないから社員のボーナス削らないと…ってウソウソ」と上機嫌。お父さんと一緒に大トロを堪能した川崎市の小学4年生・大坪覇斗くん(10)は「いつも行ってる回転ずしとは全然違う~。来て良かった」と喜んだ。
今年の落札額は、史上2位の7420万円。昨年の1400万円と比べ、5倍超の高騰ぶりだった。築地関係者によると、「喜代村」に代わり“新マグロ王”の座を狙うあるすし店が本格参戦。「絶対競り落とす」と毎年こだわりを見せる木村社長が全く譲らず、高値落札になったという。
築地市場は昨年11月に豊洲市場に移転する計画だったが、土壌汚染への懸念などから小池百合子都知事が延期を決めた。豊洲市場の開場は早ければ来冬の見通しで、築地での初競りは今回が最後となる可能性もある。
木村社長は「築地の最後と今回の値段は全く関係ないですよ~」と大笑い。新市場については「とにかく安全性が一番。食を扱うものですから、危険性が全くないことを確認できてから移転してほしい」と注文も付けた。
同社によると、212キロの初競りマグロはこの日のうちに、全国の「すしざんまい」50店舗で1万貫分ほど提供。木村社長は「来年も競りには参加します。お客さまの喜ぶ顔が見たいから」と話し、豊洲に移ろうが築地に残ろうが、7年連続でお宝マグロを競り落とす決意を口にしていた。