【コラム】韓米同盟の解消、韓国人に覚悟はあるのか

【コラム】韓米同盟の解消、韓国人に覚悟はあるのか

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の辞任を求めるキャンドル集会が最高潮に達していた頃、ある元野党議員が記者に「大統領が権威を失い、その権限も行使できなくなった状況で、毎週土曜日に数十万人の市民が集まり大統領の辞任を求めている。これは国家非常事態に当たるのではないか」「北朝鮮がいつ軍事挑発を仕掛けてくるか分からない国で、このような政治の空白に加え、数十万人がデモに参加するというのは非常に深刻な事態だ」「ところがこの非常事態に祭り感覚で家族がデモに参加し、記念写真を撮影し、歌手の歌を聴き、歩きながら食事して楽しむことがどうやって可能になるのか」と語り掛けてきた。

 記者は「警察は強制排除をしないし、市民意識も高いからではないのか」と答えた。するとこの元議員は「それだけでは説明がつかない」とした上で「警察が鎮圧を行わず、市民意識が高ければ、それだけでこの国は安全と言えるのか。今北朝鮮が突然攻めてきたら、われわれは自分たちの力でそれを阻止できるだろうか。あるいはできると信じる国民はどれくらいいるだろうか」と再び問い掛けてきた。さらに「デモに参加する市民の中には、北朝鮮の脅威を深刻に考えている人はいないだろう。もし韓米同盟がなければ、こんなことはしていられないはずだ」と主張した。

 この元議員の言葉通り「もし韓米同盟がなければ、在韓米軍が今この地になければ、大統領の過ちを責める行動がこれほど平和でなおかつ自由にできるだろうか」と記者も自分自身に問い掛けた。野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表は「(憲法裁判所で弾劾が棄却されれば)革命を起こすしかない」と言ったが、これは「デモに参加している市民が大統領を強制的に辞任させるべき」という意味でもある。本当に韓米同盟がなければ、あるいはそれ故休戦ラインの状況を常に心配しなければならない状況であれば、文氏が言ったようなことを簡単に口にできるだろうか。おそらくできないだろう。

楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹
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