暴力団員の裁判 裁判員外して裁判官だけで審理へ

暴力団員の裁判 裁判員外して裁判官だけで審理へ
去年2月、福井県敦賀市の神戸山口組系の暴力団事務所に拳銃を発砲したなどとして銃刀法違反の罪に問われている山口組系の暴力団員の裁判について、福井地方裁判所は、「裁判員に危害が加えられるおそれがある」として、裁判員を外して裁判官だけで審理することを決めました。
去年2月、福井県敦賀市にある神戸山口組系の暴力団「正木組」の事務所と車に拳銃の弾5発が撃ち込まれた事件では、拳銃を発砲したなどとして、対立する山口組系の暴力団員、山本敏行被告(39)が銃刀法違反の罪に問われています。

この事件は裁判員裁判の対象でしたが、福井地方裁判所は、裁判員を外して裁判官だけで審理することを決めました。

理由について、林潤裁判長は書面で、「山口組は裁判員に接触して有利な裁判をするよう働きかけをする動機があり、神戸山口組は法廷の内外で被告に対して報復する動機を持っている可能性がある」と指摘しています。
そのうえで、「裁判員の生命や身体に危害が加えられ、生活の平穏が著しく侵害されるおそれがある」と説明しています。

福井地方裁判所で、裁判員裁判から裁判員が外されるのは初めてだということです。