ホンダが公開したコンセプト車「NeuV(ニューヴィー)」=米ラスベガスで2017年1月5日、清水憲司撮影
【ラスベガス清水憲司、土屋渓】ホンダは5日、運転手の感情を理解する人工知能(AI)を採用し、空き時間には無人タクシーとして走り「自ら稼ぐ」こともできるコンセプト車「NeuV(ニューヴィー)」を公開した。日産自動車も年内に日本国内で完全自動運転車の走行実験を開始する方針を明らかにした。欧米勢に負けじと、日本メーカーもAIや自動運転車の開発を加速している。
ホンダ 空き時間に無人タクシー/日産 「遠隔操作で指示」開発へ
米ラスベガスで5日開幕した世界最大の家電・IT(情報技術)見本市「CES」で両社が発表した。ホンダのニューヴィーはソフトバンクと共同研究するAI技術「感情エンジン」を搭載。自動運転機能も備えた電気自動車で、運転手の表情や声色などからストレスを感じているかどうかを把握し、安全運転に役立てる。持ち主が乗らない時間帯には無人タクシーとして他の人を乗せたり、電気代が高い時間帯には蓄電池にためた電気を売ったりして、「クルマが自ら稼ぐ」といった使われ方も想定している。
日産自動車は、国内大手としては初めて完全自動運転車の走行実験に着手する。IT大手DeNA(ディー・エヌ・エー)と協力し、日本国内の国家戦略特区で実施。2020年までに首都圏など各都市にも実験を広げる方針だ。
カルロス・ゴーン社長は記者会見で「どんなにAIが発達しても、人間のように柔軟には対処できない。完全な自動運転を実現するには、どうしても人間の判断が必要になってくる」との考えを示した。自動運転車が走行中、判断を迷う場合などには、人間が遠隔操作で指示を送り、スムーズな走行法を覚えられるような新システムを開発する方針を明らかにした。