中国は世界の工場と言われて久しく、世界中に中国製品があふれている。日本も例外ではなく、中国人観光客が日本でメード・イン・チャイナの製品を購入しているというのは中国でよく言われる皮肉だ。こうした現状を受け、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本人の生活に中国製品が浸透しており、「日本人の暮らしはもはや中国製品に占領されている」と主張する記事を掲載した。

 記事はまずパソコンについて、日本ではレノボが大きな存在感を示していると主張。日本国内シェアの約25%を占めるのはNECとレノボの合弁会社であるNECレノボであり、富士通もパソコン事業をレノボと統合する方針であると紹介し、中国企業であるレノボが日本のPC市場で存在感を見せつけていると伝えた。

 さらに家電分野では、東芝が白物家電事業を中国の美的集団に売却したのをはじめ、三洋電気はハイアールに、シャープは台湾の鴻海にそれぞれ買収されている。記事は、ハイアールが日本市場で売上高500億円を達成していることを指摘し、「かつて中国で日本メーカーの白物家電が憧れの象徴だったことを考えると、とてつもない変化」であると主張した。

 また、スマホ市場で華為技術(ファーウェイ)のスマホが日本で好調な販売を記録していることを指摘する一方、日本メーカーのスマホは日本国外で殆ど売れていないと主張、日本メーカーの衰退ぶりを強調。家電やスマホ市場における中国企業の躍進と、日本企業の衰退を対比させ、中国企業が日本市場を攻め落としたとの見方を示した。

 ほかにも記事は、日本ではスーパーに並ぶ野菜の多くが中国産で、100円ショップの製品に至ってはずっと昔から「中国製の天国」だとした。日本が強いとされる自動車分野でも、京都のバス運行会社が比亜迪(BYDオート)製の電気バスを導入しており、不動産でも少なからぬ物件が中国資本によって購入されていて「日本人の住む家のオーナーは中国人」というケースも少なくないと指摘した。

 記事が指摘するように、日本には中国製品があふれ、少なからぬメーカーが中国資本に買収されている。しかし、日本企業は多くの基幹技術を握っており、例えばハイエンドのスマートフォンは日本メーカーの部品がなければ成り立たないとも言われる。表面的には中国企業が優位であるかのように見えるが、必ずしもそうとは言い切れないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)