THAAD:抗議に出向いた韓国野党訪中団、あっさり返り討ち

 訪中団によると、議員らは4日の夕食会で孔外務次官補に「限韓令(韓流禁止令)」や韓国行きチャーター機運航不許可問題、サムスン・LGの電気自動車(EV)用バッテリーに対する不利益問題など5分野で制裁中断を求めた。孔外務次官補は「よく分かった。十分に考慮する」と答えたとされる。夕食会は約1時間半にわたり行われた。王毅外相との50分間の会見を合わせても、2泊3日の議員団による「抗議外交」は合計で2時間20分にとどまる可能性が高い。韓国外交部(省に相当)の抗議に「初めて聞く話だ」などという態度を取る中国外務省が議員訪中団の抗議を各官庁にしっかり伝える保障もない。

 議員らは「公式の外交ルートが閉ざされている状況を議員外交で突破する」という名分で訪中した。民主党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は「事大外交ではないのか」との批判に対し、「我々は金章洙(キム・ジャンス)駐中大使がやるべきことを(代わりに)やっている」と反論した。しかし、5日午前にTHAAD懇談会を終えた議員らは「疲れた」と休憩し、清華大のある中国人教授が個人的に招いた夕食に出席しただけだった。

 一方、中国外務省は民主党議員を中国に呼び込んだ成果を大々的に宣伝した。ウェブサイトで王外相と議員団の会見の模様を詳しく紹介し、THAAD反対論をアピールした。王外相は「韓国政府が大々的にTHAAD配備を加速しようとする状況で、中国政府が韓国と交流を拡大しようと主張することは想像できない。双方は相互理解が可能な案が浮上するまで、THAAD関連のプロセスを加速するのではなく、中断するのが適切だ」と述べた。

 韓国外交部は5日、金炯辰(キム・ヒョンジン)次官補が中国の邱国洪駐韓大使を外交部に呼び、70分にわたり会談し、THAADに対する報復措置、中国漁船の違法操業問題などについて指摘した。席上、中国外務省アジア局の陳海副局長による韓国訪問時の脅迫的な発言に関する問題提起もあったとされる。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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