世間を賑わせた水嶋ヒロ(齋藤智裕)の話題作「KAGEROU」を読んでみた。
緑(青?)十字のロゴが象徴的な白が基調のシンプルな装丁は、清潔感がある。
ただ、やはり緑十字といえば「安全第一」ではなないだろうか。
これは吉祥寺で撮影した三菱地所ホームの建築工事現場の写真だが、やはり、自社の赤いロゴの旗の上に緑十字の旗が備えられている。それほど、安全は重要なのだ。
一般的には、白地に緑の十字が配置されているものが「安全指導標識」とされている。
これが逆だと、つまり、緑地に白の十字が配置されているものが「衛生指導標識」とされているということはあまり知られていないかもしれない。
「安全第一」という標語の先には、もう少し踏み込んだメッセージがある。つまり、「品質第二、生産第三」という方針だ。
かつては、この順序が全く逆で、「安全」が軽んじられていた時代があったが、危険な現場で事故に苦労する労働者に配慮した経営者が、この「安全第一」という、ある種の革命的な哲学を生み出みだすに至ったのである。
そして、結果的には、この方針が功を奏す。労働災害は減少し、生産効率は向上したのだ。
アメリカの鉄鋼産業界に端を発したこのスローガンは、一躍、アメリカ全土に広まり、世界中から支持されるようになったのである。
今後の水嶋ヒロ、いや、齋藤智裕の執筆活動にもさらに期待してゆきたい。
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