ばあちゃんが、人生とおカネの先生  島田洋七さん

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2012/7/4 7:00
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 今まで、薄いちっこい切り身で、「これ、大間のマグロ」って。どこでも一緒やて。それで「お勘定、幾ら?」「4万9000円です」…って盗っ人か!(笑)。佐賀なら切り身は倍、新鮮さも倍、死ぬほど食うたところで3人で2万円とかね。だから、いいのは東京で稼いで田舎で使うこと。使いでのある所で使うのがいい。家だって佐賀に移っただけで広さ3倍、新築。固定資産税は安い。もう三重、四重の喜びですわ。

──資産の運用などにご関心はありますか。

 『日経マネー』も読んでますよ。銀行に置いても金利つかないし、家にも置いとけないし、株式や債券を買ってます。もうかることはあまりないよ。いつかトントンになるやろと。日経読んだりして勉強しています。やっぱりこれからはアジアが発展せなあかんと思うから、アジアの株買うたり、コマツ、信越化学なんか持ってるわ。

 僕がサラリーマンで給料がきちっと決まってたら、1割ぐらい貯金して、老後のために備えるでしょう。でも、行き当たりばったりの芸人人生やから。おカネなかったら、ないなりの人生があるしね。ばあさんは自分は飯食わんでも、客が来たら「一杯いきますか?」ってビール勧めてた。うちにビールがあるなんて、誰も思ってないわけ。でも、やるときにパーッとやったら、あの人はカネがないのに、目いっぱいやってくれたってなる。

──人生のあらゆるところにおばあちゃんの教えがある感じです。

 中学3年までの8年間、一番なんでも吸収する時期に、毎日ばあさんを見てたからね。「腹減った」というたら「気のせいや。寝ろ」って夕方5時から寝てたからね。だから落ち目になって売れなくなっても平気やった。ばあさんと暮らした日々と、そこで見たこと、体験したことは人生の教科書ですし、僕だけの貴重な財産です。

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