──どんなところが好きですか。
芸能人なんか絶対来ない、山奥の田舎にいくこともあります。昔テレビに出てた洋七が、我が村に来てくれたと、大喜びしてくれる。もう、ばあちゃんたちのスターですよ。そんな笑顔見てたらうれしくてね。できる間はやろうって思うわけです。
24年前に初めて「講演やらへん?」といわれて、どういうもんかと見に行った。これに笑いがあったらおもろいなと思った。漫才師やからおもろい話はできる。やってみたら、「ありがとうございました。こんな楽しい講演は初めてでした」と。普通の講演はみんな寝てしまうし、なかなか人が集まらんという。講演の主催者は、ためになるだけじゃなく、人を集めたいわけじゃないですか。「漫才でトップ切ったけど、講演でもトップ切れるな」と思いました。
実際、いろんな所から依頼が来る。学校とかお寺さんとか。先日は大手自動車メーカー本社の幹部社員1000人。「みな疲れてるから笑かしてください」だって。
■漫才ブームの絶頂期「押し入れに3億円」
──漫才ブームで売れて、おカネの感覚が変わりましたか。
一番売れたころ、アパートの押し入れにキャッシュが3億4000万円あった。物すごい努力して稼いだのならええけど、突然売れたでしょう。3億円もらうほど努力してないしね。それで夜中に3億円の札束見てね、感じたことは「紙やな」と思っただけ。新札やから、ビニールをバーッて取ったらね、印刷のにおいがする(笑)。紙やんけと思ったよ。何やこれと思った。