対照的に韓国政府は昨年10月、造船業の構造調整案を発表し、現在の「ビッグ3」体制をこのまま維持することを決める一方、資産売却、人員削減などを通じた自主的な経営改善を企業に求めた。こうした構造調整の遅れが影響し、韓国造船業はまだ造船各社間の「出血競争のわな」から脱することができずにいる。造船業界関係者は「海洋プラント部門の統合といった果敢な構造調整がないまま、現在の問題を棚上げしてしまった格好だ。これでは重要な人材が離れ、造船会社は長期的なビジョンを立てられない」と懸念した。さらに、日本の造船大手は自国の海運会社から船舶を大量受注し、2018年までの受注を確保している。昨年1-9月の船舶発注量のうち、国内からの発注割合を見ると、日本は80%に達するのに対し、韓国は21%にとどまっている。
■海運市場回復、韓国は乗れず
海上貨物の運賃指標である上海輸出コンテナ指数(SCFI)は昨年8月末に596まで低下したが、韓進海運が法定管理に入ったことで反発し、昨年末には952となり、底値から60%以上も反発した。海運会社の収益性が改善する条件が整った格好だ。しかし、韓国首位、世界7位の海運会社だった韓進海運は既に破産手続きを進めている。結果的に韓国政府の海運業構造調整が外国の海運会社にだけ利益をもたらしたとの指摘は避けられない。
韓国政府は国内造船・海運業の競争力を維持するため、韓国海運会社の新規船舶発注を支援する24億ドル規模のファンドを創設することを決めた。しかし、それも役に立たない状況だ。生き残った現代商船は世界的な海運同盟「2M」と戦略的な提携関係を結んだことで、船舶発注面で制約を受けている。成均館大の朴明燮(パク・ミョンソプ)教授は「現代商船が再び世界7位水準にまで成長するのは難しい状況で、結局は韓進海運の没落による運賃上昇の果実を外国の海運各社に持って行かれたことになる」と指摘した。