慶尚南道昌原市にあるソンドン産業馬山造船所では最近、高さ105メートルの黄色いクレーンの解体作業が進んでいる。受注が途絶えたため、くず鉄同様の価格でルーマニアの造船所に譲渡することが決まったからだ。現代重工業など大手の造船所も受注不足で船舶を建造するドックの稼働を一部中断した状態だ。
一方、今年10月、日本の宮城県気仙沼市ではみらい造船が105億円を投じ、造船所の起工式を行った。みらい造船は津波で被害を受けた漁船建造4社が経営統合した中堅造船会社で、輸出市場をターゲットに造船所の新設を決めた。日本の日立造船は最近、オーストラリアの水処理専門会社を買収した。水処理分野へと事業を多角化するためだ。
韓日造船業界の好対照は、韓国が17年ぶりに日本に受注残で追い越されるという結果につながった。世界的な造船不況の中で日本は自国の海運会社による発注で持ちこたえているが、韓国は構造調整の失敗で業界首位の韓進海運が事実上破綻し、国内での造船受注確保は難しい。その上、海運業界も世界的に運賃が上昇し、状況が好転しているにもかかわらず、その果実を得ることができる国際競争力を備えた海運会社が見つからない。このため、韓国政府が主導した構造調整が全体的に甘く、結局は国の基幹産業である造船・海運業の競争力低下につながったとの批判が相次いでいる。
■先手を打った日本
原油安と景気低迷で世界的に船舶の発注自体が冷え込んでいるが、韓国造船業の受注減少ペースは深刻だ。韓国は昨年1年間で受注残が65%減少したが、日本は22%の減少にとどまった。さらに大きな問題は新規受注だ。韓国造船業は年間受注量で既に2015年に日本に16年ぶりに逆転されている。さらに、昨年9月に韓国国内での主な船舶発注元である韓進海運が法定管理(会社更生法適用に相当)に入り、今後の受注環境は厳しくなった。
造船業の韓日戦で韓国が逆転された理由は何か。日本は2013年、既にユニバーサル造船とIHIマリンユナイテッドが合併し、世界4位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)が発足。昨年10月には今治造船と三菱重工業など4社が提携を決めた。船舶の建造コストの65%は原材料費なので、統合を通じ、調達能力と技術開発能力で相乗効果を上げる狙いだ。それに、日本の造船会社は3年分の受注を確保しており、短期的には構造調整を行う理由がなかった。日本造船工業会の村山滋会長(川崎重工業会長)は「各社が3年後の長期的見通しから先手の構造調整を断行したものだ」と指摘した。