過去最低の水揚げに終わった昨年のサンマ漁=根室市花咲港で2016年10月、本間浩昭撮影
2016年の全国のサンマ水揚げ量は10万9585トンで、2年連続で過去最低を更新したことが全国さんま棒受網漁業協同組合(東京都港区)のまとめで分かった。同組合が統計を取り始めた1981年以降、最も少なかった15年の11万2264トンを2679トン(2.4%)下回った。
花咲港が7年連続の日本一
漁港別の水揚げ量は、北海道根室市の花咲港が前年比21.2%減の3万5276トンで7年連続の日本一。2位は大船渡港(岩手県)の1万3845トン(前年比1.2%増)、3位は女川港(宮城県)の1万3785トン(同46.4%増)だった。
道内は花咲港のほか、厚岸港が前年比3.1%減の1万30トン(全国5位)、釧路港が同16.5%減の5215トン(同8位)。道内全体の水揚げ量は同17.5%減の5万1118トンだった。
浜値(港での取引価格)の全国平均は1キロ当たり213.2円で、前年より7.5円(3.4%)安くなった。水揚げ量が16年のほぼ2倍だった14年の浜値(115.9円)と比べると、2倍近く高くなっている。
不漁の背景について、漁業情報サービスセンター(東京都中央区)は、沖合を南下する魚群が多く漁場が遠い▽しけが多く操業日数が限られた--ことなどを挙げている。
16年はロシアの排他的経済水域(EEZ)内でのサケ・マス流し網漁が禁止され、代替漁業として、サンマ棒受け網漁の公海試験操業が行われたが、集計に試験操業の水揚げは含まれていない。【本間浩昭】