【ロサンゼルス長野宏美】有名歌手らの出演で華やかに挙行される米大統領就任式に異変が起きそうだ。米メディアによると、20日にワシントンで行われるトランプ次期米大統領の就任式への出演依頼を断る有名歌手が続出している。
出演拒否が伝えられたのは英歌手のエルトン・ジョンさんや映画「タイタニック」の主題歌で知られるセリーヌ・ディオンさんら。就任式の前後には大規模な抗議デモも計画されており、祝賀ムードよりも分断が浮き彫りになっている。
前回2013年のオバマ大統領の時はビヨンセさんが国歌を歌い、花を添えた。トランプ氏の就任式への出演拒否続出は、女性蔑視発言や差別的な言動が影響したとみられる。
国歌を歌うのは人気オーディション番組出身の女性歌手、ジャッキー・エバンコさん(16)。ラインダンスが有名な伝統ある劇団「ラジオ・シティー・ロケッツ」も出演するが、ダンサーの一人がソーシャルメディア上で「(出演は)ぞっとする」などと不満をもらすなど不協和音が出ている。
また、20団体以上が就任に抗議するデモを申請しており、21日にデモが許可された女性団体のデモ行進だけでも20万人が参加する見通しだ。トランプ支持者との衝突やテロも懸念され、警備が強化されている。
トランプ氏は出演拒否や抗議デモが話題になっている就任式について、昨年12月22日にツイッターで「私が(出席を)望むのは一般の人々だ!」と不満をぶつけている。