母ちゃんです。
人と話す前は、必ずシミュレーションを行う
という人が、結構多い。
出会ってきた人の中では、男の人より女の人
のほうがちょっと多かった。
聞いてみると、人と会う前には事前に話す内
容をガッツリ考えていくそうや。
そして電話などの時は、自分の言いたいこと
聞きたいことを、紙に書いてから電話するら
しい。
紙に書かんまでも、しっかり考えてからしか
無理やと言う。
何でかと聞くと、失敗するからやと言う。
⚫あの話をすれば、一緒にいてつまらないと
は思われやんやろう。
⚫あの人の興味のある話をすれば、会話に困
ることはないやろう。
⚫相手が以前に話していた話のその後につい
て質問してみよう。ちゃんとあなたの話を覚
えてますというアピールになるやろう。
⚫あの話をしておけば、利口にみられるやろ
う。
⚫あれとあれを聞いとかんとあかんから、そ
れは絶対に忘れやんように聞こう。
⚫こないだのお礼を言い忘れやんように、失
礼な人やと思われやんように、先にお礼を言
おう。
そんなことを必ず考えるらしい。
それをやっとかんと不安らしい。
全くもって、時間の無駄や。
やらんでいい。
どうせその通りにはいかん。
会話は、ナマモノや。
場の空気、状況、みんなのメンタル具合、
そこにいる人の人間性、環境、仲がいい人か
そうじゃないか、天気(曇りの日は、気持ちが
沈むという人は結構おる)。
その全てをその場で感覚で掴まなあかん。
一日として同じ空気の日はない。
もしもシミュレーション通りにうまくいった
と思い込んどる人は、それは実は失敗や。
自分の発表会を練習通りに披露してきただけ
のことで、自分が思い描いていたものとはち
ょっと違う受け取られ方をする。
真面目に一生懸命考えてきたのにも関わら
ず、人に引かれてしまう。
分かるんやけどな。
その気持ちは痛いほど分かる。
そやけどそれは、うまいこといかんやろな。
そんな時はな、まわりの人はこう思うんよ。
わ~。ずっとしゃべっとるな。
目笑ってへんやん。必死やな~。
あ!人の話聞いとるフリして、自分が次する
話考えとる!
こっちの話聞いてへんやん。
そんなに注目されたいんか。
あっ!やりきった顔しとる。
イタタタタ~。
なんか嫌いやわ~。
それを露骨に出す人と、とてもそんなこと思
ってないというような笑顔を作って、腹の中
ではバカにしとる人がおる。
あなたが傷つくことがないように、そして、
相手も大切にできるように、覚えよな。
会話っていうもんはな、相手があって成立す
るんよ。
そのシミュレーションは、自分の気持ちだけ
のシミュレーションやろ。
相手の気持ちは、会ってみな分からんで。
うまくいくわけないわな。
自分がどう見られるかのためだけの、自分が
失敗しやんためだけのシミュレーションは、
全くもって何の意味もない。
ほんでそれ、疲れるやろ。
一時、楽しいような気がするけどな。
作った自分でおるからやな。
人とおるのはな、本来楽しいことなんよ。
母ちゃんは、どこに行こうと誰と会おうと、
会ったことがない人でも仲のいい人でも、
シミュレーションなんかせえへん。
何を話そうなどとは、考えたこともない。
面白けりゃ笑っとるし、つまらんけりゃ自分
が楽しくすればいい、アホなことやきれい事
が出ればつっこむし、腹が立てば怒る。
心のいがんだ人らが多くおるところでは長居
したくない。時間の無駄や。さっさと帰る。
母ちゃんにとって、その場で自分をどう見せ
るかとかはどうでもええ。
しゃべるのが得意な人もそうじゃない人も、
人付き合いが上手な人もそうじゃない人も、
みんなが気持ちよく楽しくおれることが大事
やでな。
母ちゃんが楽しいと思う空間は、それや。
人に愛されるために無理することはやめて、
そのまんまのノープランの自分でおりな。
人の話に心傾けて、面白い話は心から笑っ
て、意地悪な気持ちは捨てて、嫉妬もせず、
別に自分がしゃしゃりでてかんでもええやん
か。その場の人がみんな楽しかったらええん
よ。
その中で相性のええ人が見つかったら、
ラッキーやな。
相性のいい人はな、そんなんしとると見つか
らへんよ。何も考えとらんと自然におらな見
つからんよ。
つまらんなら、耐えられやんなら、
すぐ帰ったらええ。
あと電話はな、それこそ顔見れへんからこ
そ、シミュレーションなんか何の役にも立た
ん。
メモを書く友達のを、無駄やと言いながら、
いつもからかいながら見とるけどな。
脚本かという感じでな、自分と相手が言う
だろうセリフが想像でビッチリ書かれとる。
段落ごとに丁寧に書く人もおれば、一枚の紙
に所狭しと、あっちからこっちから思いつく
まま書いとるもんで、結局何が大事かよく分
からんのもある。
ほんで結局どの人も、ボロボロや。
うまくいった試しがない。
母ちゃんも横で聞いとって歯痒い。
母ちゃんは、思い立ったらすぐ電話するけど
うまくいかんかったことはない。
友達らはその横で、すごいなと感心しとるけ
ど、そんな大したこととちゃう。
①電話の目的
何で電話をすることになったのか。用件。
②自分の立場
お願いする立場なのか、謝罪なのか、質問なのか、挨拶なのか。
③相手の立場、相手の気持ち
相手への配慮。思いやりの気持ち。
④冷静であること。
母ちゃんはこれだけ気を付けとるだけや。
一番大事なんは、相手への配慮と思いやりや
な。
人は、大切にされたら優しい気持ちになる。
その人をええ人にするのも、嫌な人にするの
も、あなた次第やな。
あとは、常に冷静でおることは大事や。
目的見失うやろ?
目的があるから電話しとるんやから、目的忘
れるほど心乱したら、それはアホや。
知らなあかんことがある。
失敗せんとこうと思うのは、自分の言いたい
ことがちゃんと言えるように、自分が変に見
られやんようにという気持ちからくるんや
ろな。
自分の言いたいことを、人に聞かせなあかん
と思うのがおかしいし、相手も別に望んでへ
んやろな。
変に見られたくなくても、変なんやったら、
隠すもなにもしょうがないわ。
売りにしていくしかない。
いろんな人がおるから面白いのに、何を余計
なことをやっとるんや。
余計な心配せんでいい。
無駄や。
作ったあなたを評価する人は、利用価値があ
るなと思っただけ。
あるいは、この人がおるお陰で自分がよく見
られるなということ考えとるだけや。
本当のあなたを評価してくれる人は、作った
あなたのそんな姿を、いたたまれやんと思う
やろう。
自分のためだけのシミュレーションをしてく
る人を、母ちゃんはよく、カチンコチン族と
呼んどる。表情が固い。
誰の目にも明らかなほど、緊張してます、
人付き合い苦手です、が出とるんや。
自分をよく見せようとすればするほど、
余計に出るんやろう。
無理すんな。
それは、出オチや。