01月06日 09時34分
名古屋大学などの研究グループは飢餓の状態を生き抜くため、ヒトを含めた、ほ乳類の体温を下げたり、唾液を分泌したりする生理的な反応を引き起こす脳の神経回路の仕組みを明らかにしたと発表しました。拒食症による低体温や肥満症の仕組みの解明につながる可能性があるとして注目されています。
ヒトを含むほ乳類は、空腹や飢餓の状態になると体温が低下したり、食べ物を口に含むと、すぐに唾液が出てそしゃくを始めたりするなど、生命維持のための生理的な反応が引き起こされますが、どのような神経回路が機能してこうした反応が起こるのか、仕組みは分かっていませんでした。
名古屋大学大学院の中村和弘教授などの研究グループは、ラットなどを使った実験で、その仕組みを明らかにしたと発表しました。
研究グループによりますと、ほ乳類の脳の視床下部から、空腹状態であるという信号が送られると、網様体と呼ばれる生命の維持に欠かせない脳の領域の神経細胞が活性化され、エネルギーの節約や摂取に関わる2つの神経系に働きかけていることが分かったということです。
その結果、体温の低下や唾液の分泌、それに、食べ物のそしゃくなどの反応が引き起こされるということです。
中村教授は「過度なダイエットや拒食症が引き起こす低体温、それに肥満症の仕組みの解明につながる可能性がある」と話しています。
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