高官の腐敗行為を取り締まる幹部が、自ら腐敗していた――。そんな実態を描いた中国の特別番組(全3回)が注目されている。習近平(シーチンピン)指導部が進めてきた反腐敗キャンペーンを担う共産党中央規律検査委員会の元幹部が摘発され、自らの汚職をさらす内容だ。
同委が制作した番組は「打鉄還需自身硬」。人を律するには自らを律しなければならないという意味で、国営の中国中央テレビで3日から放映した。
元重慶市党委書記の薄熙来(ポーシーライ)受刑者(収賄罪などで無期懲役刑)の事件などを担当したこともある同規律検査委元幹部の魏健氏は、四川省の商業プロジェクトに参入したい企業家から依頼を受け、同省党委副書記に便宜を図るよう依頼。企業家から1千万元(約1億7千万円)を超える金銭を受け取った。魏氏は「危ういと思ったことはあるが、一体誰が規律検査委を調べるのかとも思った」と語り、「後悔で胸をえぐられるような痛み」と反省した。
党高官を摘発する同委幹部は強…
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朝日新聞国際報道部