中国はこれまで、THAAD問題に関して金章洙(キム・ジャンス)駐中国大使など韓国政府関係者とは接触を避けているが、共に民主党議員の訪中団に対しては閣僚級関係者が出てきて会談し、晩さん会で歓待した。しかし、韓国政府関係者は「韓国内部を分裂させて自分たちの考えを貫こうという中国の狙いにはめられたもの」と言った。共に民主党は、THAAD反対を党の公式見解に決めているわけではないが、文在寅(ムン・ジェイン)前代表ら主流派は「次期政権が決めるべきだ」として現政権のTHAAD配備に実質的に反対している。また、同党は基本的に北朝鮮との交流・協力再開を主張し、そのため南北が対峙(たいじ)している状況を打開して対話を勧めるべきだとしている。この延長線上でTHAAD配備を事実上、白紙化しようとしているのではないかと思われる。
こうした懸念について、共に民主党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は「(次期米大統領の)トランプ氏にも会い、王毅氏にも会うのが我が党の外交だ。これまでの国会議員が会った中国の人物の中でも最も高い地位の人物だろう」と語った。だが、同党の金鍾仁(キム・ジョンイン)議員ら野党内部でも「次期政権を狙っている政党なのに、韓米同盟の見地から推進されているTHAAD配備について、原則を無視して対応している」との批判も出ている。