【社説】中国の内政干渉、共に民主党にはひとごとなのか

 実は民主党議員らは昨年8月にも訪中しており、中国政府はその際にも面談に応じたが、その時は今回ほど積極的な歓待は受けなかった。ところが韓国で大統領弾劾問題が起こると中国政府は態度を一変させた。中国が今回、民主党議員らを歓迎した背景には、次の大統領選挙で民主党候補が当選する可能性が高いと予想し、そうなればTHAAD配備撤回を既成事実化できるとの考えがあるからだ。中国によるこのような内政干渉は今後もさらに露骨になるだろう。

 ちなみに民主党は北朝鮮の核問題について「対話での解決」を訴え、THAAD配備には否定的だ。しかし相手の武力攻撃を阻止する軍事的な備えがない中でまともな対話などできるはずはなく、その交渉は屈辱的なものとなるのはもちろん、安全保障上の脅威を防ぐことなど到底できない。ところが民主党はTHAAD配備には反対するが、それなしに軍事的な備えをどうするかについてはこれまで一度も明確にしたことがない。もし韓国の次の政権がTHAAD配備を撤回すれば、米国との同盟関係には間違いなく深刻な亀裂が生じるだろうが、その責任は誰が取るのだろうか。共に民主党は今や韓国では単なる野党ではない。議会ではすでに最大議席を持つ第1党であり、しかもその大統領候補は現時点で国民の支持率が最も高い。このような政党が国の安全保障政策に介入しようとする他国に同調すれば、大韓民国はもはや主権国家とは言えなくなるだろう。民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表と議員らは今後、安全保障問題だけは自分たちの人気取りに利用すべきでなく、現実的かつ国家的な次元から発言しなければならない。

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