【社説】中国の内政干渉、共に民主党にはひとごとなのか

 昨日、韓国の最大野党「共に民主党(以下、民主党)」所属の国会議員7人が北京を訪問し、中国の王毅・外相と面談した。韓国国内には野党とはいえ国会議員によるこの時期の中国訪問に懸念の声が根強く、しかも王毅・外相は中国共産党の機関紙を通じ、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備反対を中国の外交方針として明確にした人物だ。ところが訪問団はこの王毅・外相から歓迎を受け、また中国外交部(省に相当)の次官補クラスらとの夕食会にも出席した。訪問団は明日まで中国に滞在し、中国では閣僚クラスとされる全国人民代表大会(全人代)外事委員会主任委員の伝瑩氏ら中国高官らと面談する予定だという。

 王毅・外相は面談で「最近韓国政府からTHAAD配備を加速化するなどの発言が聞こえてくるが、これは非常に理解し難いことだ」と述べ、THAADが中国の安全保障上の脅威であることを理由にこれに反対する立場を改めて明確にした。一方で訪問団は、中国政府が韓国行きチャーター便の運航を不許可とするなど、中国による相次ぐ制裁の影響で韓国の国民感情が悪化する恐れがあることを伝えたようだ。ただし民主党としてはこの問題を次の政府で解決するとして、国会で議題として取り上げることに事実上反対していることから、今回の面談は民主党が完全に中国側に利用されているとの指摘も相次いでいる。

 一国の政府と他国の野党議員との間に何らかのパイプが存在することは決して珍しいことではないが、軽率な行動は二重外交となる恐れがあるため、当事者は常に慎重でなければならない。これはどこの国であれ外交関係者の間の不文律だ。ところが中国は韓国に対してはこの原則を堂々と無視し、あえて見せつけるかのように野党議員を歓待した。中国外交部は韓国で昨年7月にTHAAD配備が決定した直後から、韓国の金章洙(キム・ジャンス)大使との面談に今も応じようとしないが、その一方で今回、THAAD配備に反対する韓国の野党議員らが面談を要請すると、直ちにこれを受け入れた。世界にこのような横暴は例がないのではないか。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース