時事通信社などが主催した5日の新年互礼会で、安倍晋三首相が衆院解散・総選挙について「今年は全く考えていないと、はっきり申し上げておきたい」と明言する場面があった。だが同日夜、首相周辺は「首相から『言い間違えた』と聞いた。『今月』と言おうとしたんだろう」と修正した。首相に近い人物が解散がない時期を「1月のみ」に限定したことで、かえって年内解散の臆測が広がりそうだ。
首相は4日の年頭記者会見で早期解散に慎重姿勢を示していた。5日は、今年と同じ酉(とり)年にあたる1969年や93年、2005年にそれぞれ衆院解散・総選挙が実施されたことに言及。一方で81年に解散がなかったことを踏まえ「酉年であれば必ず総選挙というわけではない」と指摘していた。
互礼会での発言は与党内では「年内の解散も強く否定した」と受け止められた。だが、政府筋が発言を修正したことで、逆に「年内解散はある」との見方が出そうだ。与党内では、早期解散がない場合は今秋の解散などが取り沙汰されている。