東京・築地市場で5日、新春恒例の初セリが開かれた。最高値で競り落とされた青森県大間町産のクロマグロは1匹(212キロ)7420万円だった。史上最高値の1匹1億5540万円をつけた2013年以来、4年ぶりの高値。1キロあたり35万円で前年の5倍だった。
すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京・中央)が6年連続で最高値のマグロを落札した。今年は元気寿司が初参戦し、築地すし好(東京・中央)との三つどもえの競り合いが注目を集めた。最後まで競り合ったのは築地すし好。喜代村の木村清社長は「競合がいて大変だった。早く食べてもらいたい」と語った。
ただ高値になったのは一部のみ。マグロの入荷数も生・冷凍の合計で1523匹と過去10年で最も少なく、前年比13%減った。「1匹100キロ以下のものは前年比2割程度安かった」(東京都)。築地すし好は最高値の競争から降りた後、1匹約500万円のマグロを落札。「質の良いマグロを適正価格で仕入れられて満足のいく初セリだった」(成田仁孝社長)
築地市場は16年11月に閉鎖し豊洲へ移転する予定だったが、8月に移転延期が決定した。マグロ仲卸業者団体の早山豊会長は「与えられた環境でやるしかない」と新年の抱負を述べた。